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■介護職として働く人の3割近く、セクハラ被害 「不必要に体に触れる」が半数 [健康ダイジェスト]

 高齢者宅や施設で介護を行う介護職の3割近くが、高齢者やその家族から体を触られるなどのセクハラを受けたことがあるという調査結果を全国の介護職員らで作る労働組合がまとめました。
 このアンケート調査は、全国の介護職員らで作る労働組合「日本介護クラフトユニオン」が4月に組合員のヘルパーやケアマネジャーら約7万8000人にを対象に行い、20日までに回答した1054人の回答を分析して27日、公表しました。
 それによりますと、304人(28・8%)が高齢者やその家族からセクハラを受けたことがあると回答。うち286人が女性でした。複数回答で内容を尋ねると、「不必要に体に触れる」が51・0%で最も多く、「性的な冗談を繰り返す」(46・7%)、「胸や腰をじっと見る」(25・7%)の順に多くなりました。
 セクハラを受けたことがあると回答した人の78・6%が上司や同僚などに相談しましたが、うち47・3%は相談後もセクハラが続いたとしました。中には、「『プロの介護職はその程度は受け流すべき』といわれた」人もいたということです。一方、相談しなかった人(19・4%)の理由で最も多いのが、「相談しても解決しない」(44・1%)でした。
 労働組合の村上久美子政策部門長は、「セクハラが起きた時に、介護職が一人で抱え込むことがないように、多角的な対策を考えたい。認知症だったら仕方がないと考える人もいるかもしれないが、黙って我慢することはあってはならず、職員を守る方法を事業者や行政にも考えてほしい」と話しています。
 約1年前、訪問介護の利用者の男性からセクハラを受けたという東京都内の50歳代の介護へルパーの女性が、マスコミの取材に応じました。
 女性は、「台所で食事を作っていると、突然、男性に後ろから抱きつかれ、体に下半身を押しつけられました。男性は体が大きく、部屋には2人しかおらず、本当に怖かったです。帰るわけにもいかず、『そんなことをされると私はもう来られなくなる』といって男性をなだめました。謝罪の言葉はなく、悪いことだと思っていないようでした」と話しました。
 女性はセクハラを上司に報告して男性の担当を外してもらったということですが、「それ以来、何をしていても後ろが気になって仕方がありません。利用者とは信頼関係を築かなくてはいけないのに、常に疑ってしまい、構えて距離を置いてしまっています」と述べ、今も心理的な負担になっていると明かしました。
 その上で女性は、「ヘルパーは介護が必要なお年寄りに対する責任があるので、嫌なことがあっても我慢してしまいます。でもセクハラが続くとみんな仕事をやめてしまい、介護の現場はますます人手不足になります。状況を改善してほしいです」と訴えました。
 今回の調査について、長年、介護ヘルパーとして働いた経験がある東洋大学の柴田範子講師は、「隠れてきた問題がようやく世の中に出た。なぜ、ここまで介護現場で働く人がつらい思いをしなくてはならないのか。認知症などの病気を理由にセクハラを許していいはずがない」と話しました。
 その上で、「介護保険制度では本来、介護する側とされる側が対等だが『利用者が主体』といわれてきたために、働く側の立場が弱くなり、軽々しい態度をとる高齢者も出てきてしまっている。事業者や行政が問題を受け止めて、利用者やその家族と話し、ヘルパーを替えたり、場合によっては契約を解除するという姿勢で対処すべきだ」と述べました。

 2018年4月29日(日)

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