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■Muse細胞で脳梗塞を治療へ バイオ企業が9月中に臨床試験 [健康ダイジェスト]

 三菱ケミカルホールディングス傘下のバイオ企業「生命科学インスティテュート」(東京都千代田区)は3日、開発中の再生医療製品「Muse(ミューズ)細胞」の新たな臨床試験(治験)を始めると発表しました。すでに急性心筋梗塞の治験が1月からスタートしており、今回は2つ目の治験として脳梗塞治療を狙います。
 治験で有効性と安全性が確認されれば、2021年度以降に国から医薬品として承認を受けることを目指すとしています。
 Muse細胞は東北大学の出沢真理教授らの研究チームが発見した多能性細胞の1つで、さまざまな細胞に分化する性質が知られています。点滴で静脈に送り込むと体内の傷付いた部位に集まり、組織や細胞を再生する性質があります。この性質を使ったさまざまな研究が進んでいます。
 生命科学インスティテュートは、仙台市にある東北大学病院で9月から脳梗塞患者を対象にした治験を始めます。脳梗塞による年間死亡者数は6万人以上とされ、脳梗塞を含む脳血管障害は日本における入院原因の第2位。発症後に運動機能障害や言語障害などの後遺症も起きるため、要介護になる可能性も高くなります。
 これまでのラットを使った治療実験では、運動機能の改善効果が確認されており、今回、実際の脳梗塞患者を対象に、点滴で静脈に送り込むMuse細胞が脳の損傷部位にたどり着いて修復し運動機能を改善することを目指す治験で有効性や安全性を確かめます。
 生命科学インスティテュートの木曽誠一社長は、「今ある医療現場の他の治療法に比べて製造コストも低く、使い勝手もいい治療法となるだろう」と強調。研究代表の東北大学の冨永悌二教授は、「脳梗塞の後遺症は生活の質を落とす原因だが、Muse細胞で介助不要な状況に改善できる可能性がある」と話しました。
 今回の治験は脳梗塞発症後2週間以上が経過した20歳以上80歳以下の患者が対象で、身体機能の障害などを起こしていることが治験に参加できる患者の条件となります。約35人を対象に治験を進め、2020年1月の終了を見込んでいます。

 2018年9月3日(月)

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