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■WHO、世界的な運動不足に警鐘 14億人に健康リスク [健康ダイジェスト]

 世界保健機関(WHO)は5日、世界の18歳以上の成人の4人に1人に当たる14億人以上が運動不足とみられるとの研究結果を発表しました。世界的な運動不足の改善努力はほとんど成果を挙げていないとして、WHOの専門家は警鐘を鳴らしています。
 推計14億人以上という運動不足の人の数は、2001年調査からほとんど改善していません。運動不足は、心臓疾患や2型糖尿病、複数のがんなどさまざまな健康問題にかかるリスクを悪化させます。
 イギリスを含む高所得国では特に、運動不足の割合が高くなりました。また、アジアの2地域を除く世界的な傾向として、男性に比べて女性のほうが運動不足の割合が多くなりました。  
 イギリスの医学誌「ランセット・パブリック・ヘルス」で発表された研究結果によると、WHOの研究者は世界168カ国における人口調査358件で得た自己申告データを調べました。調査対象者は190万人に上ったといいます。
 調査は週に150分の緩い運動、もしくは75分の激しい運動をしない人を、運動不足と定義しました。
 イギリスやアメリカを含む高所得国では、運動不足の人の割合が、2001年の32%から2016年は37%に上昇。ドイツ、ニュージーランド、アメリカでも、運動不足の割合は増えていました。一方で、低所得国での運動不足の人の割合は、16%と変化がありませんでした。
 東アジアと東南アジアを除く地域では、女性のほうが男性より運動不足でした。男女差が特に大きかったのは、南アジア、中央アジア、中東、北米、西欧の高所得国でした。女性のほうが育児負担が大きい、あるいはその土地の風習で女性が運動しにくいなど、さまざまな複合的な要因が関係しているだろうと、研究チームは指摘しています。
 2016年調査によると、イギリスにおける運動不足の割合は、男性が32%、女性が40%で、全体で36%でした。富裕国では、仕事も趣味も座って行うものへの移行が進み、かつ自動車移動の利用も増えています。これらの要因が、運動不足の割合を高くしているかもしれないと、研究チームは指摘しています。
 一方、低所得国の人は、仕事で体を動かす機会が多かったり、公共交通機関を使う度合いが多かったりするとみられています。
 調査報告書の筆者は、運動不足を2025年までに10%減らすとのWHOの目標がこのままでは達成されないと警告しています。
 WHOの調査報告書で筆頭著者を務めたレジーナ・グートルト博士は、「他の主要な国際的健康リスクと異なり、運動不足の程度は平均して世界全体で改善されていない。また、全成人の4分の1以上が、健康のために推奨される身体運動の水準を満たしていない」、「運動不足が増えている地域は、公衆衛生や、非感染性疾患の予防と制御について重大な懸念となっている」と述べました。
 調査報告書の共著者を務めたフィオナ・ブル博士は、「国際的な運動目標を達成するには、身体運動の量に関する男女差への対策が極めて重要になる。そのためには、安全、安価で文化的に許容される運動の機会を女性が利用しやすくなるよう、介入が求められる」と話しました。
 WHOは成人に対して、早歩きや水泳、軽いサイクリングなどの「中程度の運動」を少なくとも週150分、またはランニングやチームスポーツなどの「激しい運動」を少なくとも週75分行うことを推奨しています。

 2018年9月6日(木)

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