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■がん5年生存率、ステージ別に初公表 国立がん研究センター [健康ダイジェスト]

 全国のがんの拠点病院などで治療が行われたがん患者を各がんのステージ(病期)別に5年生存率を集計し、国立がん研究センターが初めて公表しました。国立がん研究センターでは、患者側が病院を選ぶ際の参考材料の1つになるのではないかとしています。
 国立がん研究センターでは2008年から2009年までの2年間にがんの拠点病院など全国251の医療機関で治療した約50万人のがん患者のデータを集計し、大腸、胃、肺、乳房、肝臓の各がんの進行度合いを示すステージ別に、診断から5年後に生きている人の割合を示した5年生存率を初めて公表しました。
 すべてのがんでの5年生存率は65・8%。このうち、国立がん研究センター中央病院が治療した胃がんの患者では、最も早期に当たるステージ1で91・8%、ステージ2で71・5%、ステージ3で64・6%、ステージ4で14・5%などとなっています。肺がんの患者では、ステージ1で85・5%、ステージ4で10・3%、全体で60・6%。一方、がん研有明病院が治療した肺がんの患者では、ステージ1で84・2%、ステージ4で4・5%、全体で52・2%となっています。
 こうしたデータは公表を見送った病院を除く全国230の医療機関について、国立がん研究センターのホームページで見ることができます。
 国立がん研究センターは生存率の単純な比較はできないとしていますが、公表データには医療機関ごとに症例数や患者の年代、手術の有無など生存率に影響する患者の背景などが詳しく示されており、患者が主治医と相談して病院を選ぶ際に参考材料の1つになるのではないかとしています。
 集計を行った国立がん研究センターの東尚弘・がん登録センター長は、「こうしたデータで患者側が病院の特徴を知り選ぶ参考にするとともに、病院側が改善する努力にもつなげてほしい」と話しています。 一般に、各医療機関の5年生存率は治療成績を測る指標とされています。
 今回公表された東京都内の11の医療機関のデータを例にみてみると、胃がんのステージ3では生存率が最も低いところは11・7%で、最も高いところの40・4%と比べると30%近い差がありました。大腸がんのステージ3でも最も低いところは41・0%で、最も高いところの85・7%とは約40%の差がありました。
 ただし、国立がん研究センターは今回公表した5年生存率について、医療機関の間で単純な比較はできないとしています。その理由として、ステージ別にみると症例数が少なくなり、精度が低い数字が含まれていることを挙げています。
 さらに、同じステージでも比較的難しい症例やがん以外の合併症のある患者、それに高齢の患者などそもそも治療が難しいケースでも受け入れて治療をする医療機関は5年生存率が低くなる傾向になります。一方で、若い患者が多く、手術を妨げる要因が少ない患者を増やせば5年生存率も高くなり、治療成績が高い医療機関のようにみえます。
 集計を行った国立がん研究センターでは、5年生存率のデータ以外にも症例数や年齢、それに医療機関側のコメントなどを含め総合的に判断することが重要だとしています。

 2018年9月12日(水)

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