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■今年のがん患者、101万人と予測 国立がん研究センター [健康ダイジェスト]

 国立がん研究センターは15日、2018年に新たにがんと診断される患者は前年比400人減の約101万3600人との予測を発表しました。
 ピロリ菌感染率や喫煙率の低下を背景に、患者数の横ばい傾向がみられるといいます。
 国立がん研究センターによると、予測患者数は高齢化などにより2016年に100万人を超え、高い水準で推移しているものの、大幅な増加はみられなくなっています。
 胃がんの危険性を高めるピロリ菌の感染率が世代が若くなるほど下がり、胃がん患者が減っていることや、男性の喫煙率が下がり、がん全体が減っていることが背景にあります。女性のがんも増加傾向が緩やかになってきました。
 患者数は男性57万4800人、女性43万8700人。部位別では、大腸がんの15万2100人、胃がんの12万8700人、肺がんの12万5100人、女性乳房がんの8万6500人の順に多くなりました。
 さらに、今年のがんによる死亡者数は、男性が22万3000人、女性が15万7000人の合わせて37万9900人と予測され、昨年の予測に比べ、約2000人増加するとしています。
 国立がん研究センターがん統計・総合解析研究部の片野田耕太部長は、「喫煙率の低下などによる肺がん患者などの減少と高齢化による患者の増加とが相殺され、患者数はしばらく横ばいが続くだろう。がん検診の徹底などできることはまだ多く、国や自治体は対策や評価に役立ててほしい」と話しています。
 国立がん研究センターはまた、2014年に全国でがんと診断された患者は86万7408人で、過去最多を更新したと発表しました。前年推計から約5000人増え、部位別では大腸がんが胃がんを上回って2年ぶりに最多となりました。日本人に多い胃がんは2年連続で患者数が減り、戦後の衛生状態の改善により原因となるピロリ菌の保有者が減った影響と考えられます。
 例年のがん患者数は、精度の高い、複数の県のデータを基に全国値を推計していましたが、全国で精度が上がり、初めて実際の値を公表しました。
 新規患者数の内訳は、男性50万1527人、女性36万5881人。部位別では、男性は胃がん、肺がん、大腸がん、前立腺がん、肝臓がんで全体の68・0%、女性は乳房がん、大腸がん、胃がん、肺がん、子宮がんで64・1%を占めました。近年は特に、男性の前立腺がんや大腸がん、女性の乳房がんや大腸がんの増加が目立ちます。
 片野田部長は、「細菌やウイルス感染が原因になる胃や肝臓のがんが減少傾向にある一方、大腸がんは増えている。生活習慣の影響が大きいのではないか」と話しています。
 一方、人口10万人当たりの患者数(罹患(りかん)率)は、354・6人(男性429・4人、女性300・7人)。都道府県別でみると、最多の富山県と最少の千葉県で約140人の差があります。ただし、データの精度や検診の普及の度合いに左右されるため、罹患率の高い地域の住人ががんになりやすいとはいえないといいます。
 2016年のがんによる死亡者数も発表され、男性が21万9785人、女性が15万3201人の合わせて37万2986人で過去最多でした。部位別では、肺がん、大腸がん、胃がん、膵臓(すいぞう)がん、肝臓がんの順に多くなりました。

 2018年9月15日(土)

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