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■2018年のノーベル医学・生理学賞、本庶佑・京大特別教授ら2氏に 新しいがん治療方法を発見 [健康ダイジェスト]





 スウェーデンのカロリンスカ研究所は1日、2018年のノーベル医学・生理学賞を、がんの治療法に革命的な変化をもたらした功績により、京都大学の本庶佑(ほんじょ・たすく)特別教授、およびアメリカのテキサス州立大学のジェームズ・アリソン教授の2氏に授与すると発表しました。
 受賞理由は、「免疫の働きを抑えるブレーキ役となる物質を発見し、がんに対して免疫が働くようにする新たな治療薬の開発など」。
 授賞式は、1896年に死去し遺言でノーベル賞を創設したアルフレッド・ノーベルの命日である12月10日に、スウェーデンの首都ストックホルムで開催され、2氏は同国のカール16世グスタフ国王から賞を授与されます。
 賞金900万スウェーデンクローナ(約1億1500万円)は、2氏で分け合うことになります。
 日本人がノーベル賞を受賞するのはアメリカ国籍を取得した人を含めて26人目で、医学・生理学賞では、一昨年の東京工業大学の大隅良典特任教授に続いて5人目となります。
 本庶特別教授は、京都市生まれの76歳。京都大学医学部を卒業後、1971年にアメリカに渡り、カーネギー研究所や国立衛生研究所で免疫学の研究に当たりました。そして、大阪大学医学部の教授をへて1982年からは京都大学の教授となり、医学部長などを務めたほか、現在は京都大学高等研究院の特別教授として副院長を務めています。
 本庶特別教授は、免疫をつかさどる細胞にある「PD-1」という新たな物質を発見し、その後、体の中で免疫が働くのを抑えるブレーキの役割を果たしていることを突き止めました。この発見によって再び免疫が働くようにして、人の体が本来持っている免疫でがん細胞を攻撃させる新しいタイプの治療薬、「オプジーボ」という薬の開発につながりました。
 「オプジーボ」は、がんの免疫療法を医療として確立し、本庶特別教授は同じくがんの免疫療法で貢献したジェームズ・アリソン教授とともに共同で受賞しました。
 カロリンスカ研究所は会見の中で、「これまでがん治療の手段は、外科手術や放射線治療、抗がん剤があった。しかし本庶氏とアリソン氏は、がんそのものを対象とするのではなく、私たちの体に備わった免疫細胞を利用して、特定の腫瘍だけでなくあらゆるタイプの腫瘍の治療に応用できる新しい治療法を開発した。がんとの戦いに新しい道を切り開いた画期的な発見だ」と指摘しました。
 アリソン教授は、人の免疫細胞の表面にある「CTLA-4」というタンパク質が免疫細胞の活動を抑えるブレーキ役を担っていることを突き止め、このタンパク質が働くとがんを攻撃する働きが弱まることを初めて発見しました。
 「CTLA-4」は本庶特別教授が発見した「PD-1」と同様に、このタンパク質が働かないようにすることで、免疫細胞に再びがんを攻撃させるようにする「免疫チェックポイント阻害剤」という新たな薬の開発につながり、2011年から皮膚がんの一種である「悪性黒色腫」の治療薬としてアメリカなどで広く使われるようになりました。
 「免疫チェックポイント阻害剤」は、外科手術や放射線など従来の治療法に続く新たながんの治療法として世界的に注目を集め、現在は他のがんでも開発が進んでいます。

 2018年10月2日(火)
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