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■理研と昭和大、ES細胞で唾液腺再生に成功 口腔乾燥症改善へ [健康ダイジェスト]

 理化学研究所の辻孝チームリーダーと昭和大学の美島健二教授らの研究チームは、マウスのES細胞(胚性幹細胞)から唾液を分泌する機能を持つ唾液腺器官を再生することに成功しました。唾液の分泌量が少なくなって唾液の質に異常を来し、口の中やのどが渇く「口腔(こうくう)乾燥症(ドライマウス)」の改善に役立つ可能性があります。
 ES細胞は受精卵から得られる万能細胞で、さまざまな臓器や組織の細胞をつくることができます。ただ唾液腺や乳腺などの分泌腺を持つ細胞は、他の細胞に比べてつくり方が確立していません。
 研究チームは、胎児期のマウスで唾液腺ができる過程で働く遺伝子を解析し、唾液腺のもとになる組織の形成に重要な2つの遺伝子を特定しました。2つの遺伝子をES細胞からつくった口腔粘膜上皮に入れ、唾液腺器官を再生しました。この唾液腺器官をあらかじめ大唾液腺を切除したマウスに移植したところ、基本的な機能を備えた唾液腺に成熟して唾液を分泌しました。
 唾液は消化や抗菌、口腔粘膜の保護などの作用を持ち、口内の環境を整える役割があります。唾液を分泌する機能に重い障害を抱えるシェーグレン症候群の患者は国内に約7万人に上り、効果的な治療法はありません。研究チームは人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)をもとにした唾液腺器官の開発も計画しており、再生医療で症状を改善する道を探ります。
 研究成果は、イギリスの科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」(電子版)に掲載されました。

 2018年10月12日(金)

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