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■社会福祉施設の労働災害死傷者、8738人に 過去最悪を更新 [健康ダイジェスト]

 高齢者や障害者の介護などを担う社会福祉施設で昨年、腰痛や転倒など4日以上の休業を伴う労働災害で死傷した職員が前年比5・5%増の8738人となり、過去最悪を更新したことが、厚生労働省のまとめでわかりました。経験が3年未満の職員の労災が4割超を占め、安全教育の徹底などが急務となっています。
 厚労省によると、昨年の社会福祉施設での労災は2008年の約1・8倍で、同じ期間の職員数の約1・5倍の増加を上回るペースでした。
 全産業における労災の死傷者数は1980年前後は年30万人台でしたが、安全対策の強化などで減少。2008年以降は年11万~12万人台で推移している中、社会福祉施設での増加が目立っています。
 社会福祉施設での労災の内訳は、高齢者をベッドから車イスに移す際などの「動作の反動・無理な動作(腰痛など)」の2983人が最も多く、「転倒」の2893人が続きました。生命にかかわる度合いの比較的小さい労災が多く、「交通事故(道路)」、「墜落・転落」は少数です。
 年齢別では、50歳以上が57%に上りました。仕事の経験年数別では、3年未満の人が43%を占めました。介護需要の高まりで新たに採用された職員や、中高年層の職員が労災に見舞われやすい傾向がうかがわれました。
 疾病別では、介護現場で発生しやすい腰痛が1214人と増加傾向が続いていました。厚労省は2013年に改定した「職場における腰痛予防対策指針」で、福祉・医療分野では原則、職員が利用者を抱き上げないよう求めています。ベッドから車イスへの移動などで、前かがみや中腰の姿勢で高齢者や障害者を持ち上げると、腰などに大きな負担がかかり、腰痛になる危険性があるためです。
 ただ、厚労省によると、多くの介護職場で「指針が知られていない」のが実情といいます。腰痛予防の講習会を全国各地で開き、職員の負担を軽減するリフトの導入に補助金を出すなどしているものの、現場の意識改革や導入は十分に進んでいません。
 介護現場の人手不足は深刻で、人材確保の観点からも、新人向けの安全研修の徹底や、負担を軽減する機器の導入など、労災防止対策の重要性が増しています。

 2018年10月26日(金)

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