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■大気汚染、世界で毎年60万人の子供が死亡 知能の低下にも直面、WHO報告 [健康ダイジェスト]

 世界保健機関(WHO)が29日に発表した報告によると、大気汚染により、毎年約60万人の15歳未満の子供が死亡しており、知能の低下から肥満や耳の感染症に至るまで、さまざまな症状が引き起こされています。
 WHOはこの報告書「清浄な空気のための処方」で、世界の子供の約93%に相当する18億人に影響を及ぼしている大気汚染に関する最新の科学的知見をまとめました。
 子供は特に大気汚染の影響を受けやすく、毎日、屋内および屋外で危険な有害大気を吸っている18億人の子供のうち、6億3000万人は5歳未満だといいます。5歳未満で亡くなる世界の子供の10人に1人が大気汚染が原因で死亡しているとしています。
 また、世界人口の10人中9人が深刻な大気汚染の中で暮らしており、毎年700万人の早死にを引き起こしていると指摘。アジア、アフリカ、ラテンアメリカの大部分が最悪の影響を受けているとしています。
 テドロス・アダノム事務局長は声明で、「汚染された空気は何百万人もの子供たちに害を及ぼし、命を奪っている」とし、「これは許されないことだ。すべての子供は成長し、その潜在能力を十分に発揮できるよう、きれいな空気を呼吸できるようにすべきだ」と述べました。
 WHOの公衆衛生・環境局長、マリア・ネイラ氏は、「汚染が死産や早産の原因となっている証拠や、成人になるまでの病気など、この研究で明らかになった懸念すべき要因は、世界的な政策変更につながるはずだ」と述べました。
 ネイラ氏は、重要なのは神経発達の問題だと指摘。「私たちの子供の認知IQが低下することを想像してみてほしい。新たな世代はIQが低下する危険に直面している。これは、新しいだけでなく、非常に衝撃的なことだ」と述べました。
 この研究によると、大気汚染と中耳炎や耳の感染症との関連性を示す明確で一貫した証拠があるほか、小児に肥満やインスリン抵抗性を引き起こすことを示す証拠もあるとしています。
 大気汚染は、小児がん、ぜんそく、肺機能の低下、肺炎などの急性下気道感染症の原因にもなることも報告されています。

 2018年10月30日(火)

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