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■胎児の心臓異常をAIで自動検知するシステム開発 理研、昭和大学など [健康ダイジェスト]

 理化学研究所と昭和大学、大手電機メーカーの富士通の共同研究チームは18日、リアルタイムで胎児の心臓異常を自動検知するシステムを開発したと発表しました。人工知能(AI)を活用したこのシステムによって先天性心疾患の見落としを防ぎ、早期の診断や治療計画の立案につなげるといいます。
 先天性心疾患は生まれながらに心房や心室、弁、血管のつながり方などに異常が認められる病気。新生児100人に1人の割合で発症し、すべての先天性疾患の中で発症頻度が最も高くなっています。死亡する新生児の約20%は重症先天性心疾患によるといわれるほど。
 近年では小児科の治療技術の進歩によって、先天性心疾患の新生児を治療した時の予後は著しく改善しています。さらに、胎児期の診断を経て出生の直後から1週間以内に治療した場合の治療成績は、出生後に診断されて手術などの治療をした場合より良好となります。
 しかし、胎児の心臓は小さい上に構造が複雑で動きも速く、超音波検査の際には高い技術を要します。検査の技術は経験などに左右されるため、検査をする人が違えば差が出てしまいます。
 そこで共同研究チームはAI技術の「物体検知技術」を用いて、胎児の心臓構造の異常を自動で検知する技術を開発。加えて、検査を迅速化して結果の把握および説明を簡便化する新たな検査結果表示システムも開発しました。これまでに23例の先天性心疾患の胎児の超音波検査画像を使って精度を検証し、1例を除くすべてで正しく検知したということです。
 今後は、日本の大学病院では年間出産数がトップレベルの昭和大学病院の4つの付属病院の産婦人科にて、本格的に実証試験を進める予定で、2020年度の実用化を目指すとしています。また、数十万枚もの大量の胎児超音波検査画像を追加で取得してAIに学習させ、スクリーニング精度の向上および実証と検査対象の拡大を図ります。
 理化学研究所革新知能統合研究センターの小松正明研究員は、「今後、システムの精度を専門医の水準にまで引き上げ、施設間の診断格差の解消や見落としを防ぐことに役立てたい」と話しています。

 2018年11月1日(木)

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