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■筋肉の中に骨ができる難病「FOP」の治療薬候補を発見 iPS細胞使い、京大など [健康ダイジェスト]

 筋肉や腱などの中に骨ができる難病「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」の治療に役立つ可能性がある新しい化合物2種類を発見したと、京都大学と大日本住友製薬の研究チームが発表しました。
 患者数が少ないため研究が進みにくい難病の仕組みや治療法を、患者のiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って追究した研究の成果です。論文が2日、アメリカの科学誌「ステム・セル・リポーツ」(電子版)に掲載されました。
 FOPは遺伝子の変異が原因で、本来は骨がない部位に骨ができる病気。外傷や感染による炎症の刺激で骨化が急激に進むとされますが、刺激がなくても骨化が進む場合があり、詳しい発症メカニズムは不明です。国内の患者数は、推定80人程度と極めて少なく、根本的な治療法は確立されていません。
 京大iPS細胞研究所の池谷真(いけやまこと)准教授らは、骨になる手前の軟骨を作りやすいマウスの培養細胞に、FOPの原因遺伝子を組み込み、発症の仕組みを詳しく調べました。この細胞に4892種類の化合物を加え、骨化を抑える効果がある7種類の化合物を見付けました。
 さらにFOP患者のiPS細胞で効果を確かめ、2種類を選びました。この2種類をFOPの病態を再現したマウスに投与すると、骨化を抑える効果があったといいます。
 いずれもがんの治療薬として過去に臨床試験が行われたことがある化合物で、池谷准教授は「すぐに臨床応用は難しいが、謎が多いFOPの発症の仕組みを解明し、治療薬を開発する重要な手掛かりになる」と話しています。

 2018年11月3日(土)

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