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■流行続く風疹患者、1692人に上る  8週連続で新たな患者100人超 [健康ダイジェスト]

 国立感染症研究所は6日、10月22〜28日までの1週間に新たに170人の風疹患者が報告され、今年の累計患者数が1692人になったと発表しました。100人超の増加は8週連続となったほか、前の週に当たる10月21日までの1週間の患者の数は追加の報告などを受けて修正されて215人と、今年初めて200人を超えていたということです。
 患者の中心は、ワクチンの接種率が低い30歳代から50歳代の男性。専門家は、「対策をうたないと、東京オリンピックの2020年まで感染が続くこともあり得る 」と懸念しています。
 都道府県別では、東京都が前の週から60人増えて589人、千葉県が19人増えて269人、神奈川県が24人増えて233人、埼玉県が13人増えて110人、愛知県が4人増えて88人、大阪府が7人増えて56人などとなっており、首都圏の患者が全体の約7割を占める一方で、首都圏以外の地域でも患者の数が増えてきています。
 男女別では、女性の305人に対して、男性は1387人と4・5倍多く、男性患者全体の8割を30歳代から50歳代が占めています。また、女性では20歳代が最も多く、患者数は108人に上っています。
 感染症研究所は6日、緊急情報を発表。妊娠初期に風疹にかかると、赤ちゃんに難聴や心疾患などの障害が出る「先天性風疹症候群」が増える恐れがあります。妊娠中は予防接種が受けられないため、妊娠の2カ月前までに2回ワクチン接種をすませておくほか、妊婦の家族など周りにいる人もワクチンの接種が重要だと呼び掛けました。
 1万6000人超の患者が出た2012~13年の流行では、45人の赤ちゃんに障害が出て、うち11人が亡くなりました。
 神戸市の西村麻依子さん(35歳)は、長女(6歳)を妊娠中だった2012年、風疹にかかりました。長女には心臓に穴が開き、脳の一部が石灰化するなどの症状が出ました。多くの症状は回復したものの、今もしゃべり方が幼いなど発達の遅れがみられます。西村さんは、「娘にもつらい思いをさせた。ワクチンをうてば風疹は防げると伝えたい」と話しています。
 アメリカの疾病対策センター(CDC)は10月22日、予防接種や罹患(りかん)歴のない妊婦は日本に渡航しないよう勧告。風疹は一度流行すると、2~3年にわたり流行が続くことが多く、専門家は今回も感染が続く恐れがあると懸念しています。
 来年にはラグビーワールドカップ、2020年には東京オリンピック・パラリンピックが控えています。政府は2020年度までに持続的な感染が1年以上確認されない「風疹の排除」を目指していますが、何も手をうたなければ大型イベントにも影響が出かねません。
 今回の流行は、過去の制度変更の影響でワクチンの接種率が低い30歳代から50歳代男性を中心に感染が広がっています。同年代で抗体が少なく感染のリスクが高い人は、数百万人いるとみられます。
 感染症研究所感染症疫学センターの多屋馨子(けいこ)室長は、「30~50歳代男性の抗体保有率を上げない限り流行が繰り返される。抗体検査を職場の定期健診に組み込むなどの取り組みが必要だ」と訴えています。

 2018年11月6日(火)

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