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■iPS細胞から、がんを攻撃するキラーT細胞を作製 京大などが成功 [健康ダイジェスト]

 人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から、がんへの攻撃力を高めた免疫細胞「キラーT細胞」を作製することに成功したと、京都大学iPS細胞研究所などの研究チームが発表しました。マウスの実験で、がんを効果的に抑えることも確認しました。
 新たながん免疫療法につながる可能性があるといい、16日のアメリカの科学誌「セル・ステムセル」(電子版)に論文が掲載されました。
 人の体内では、絶えずがんが生まれているものの、キラーT細胞を含む免疫細胞ががん細胞にある特定の分子を目印に、がんを見付けて攻撃することで、健康を保っています。だが、がんが免疫の仕組みを回避したり、免疫細胞の攻撃力が弱まったりするとがんが増殖し、発症すると考えられている。
 研究チームは2013年、iPS細胞からキラーT細胞を作製したとする論文を発表していますが、作製の過程で細胞表面に余分な分子ができてしまい、がんを発見する能力が阻害されるという課題がありました。
 今回、遺伝子を効率よく改変する「ゲノム編集」の技術を活用し、まずiPS細胞から余分な分子を作る遺伝子を除去。その後、キラーT細胞に変化させて試験管内で調べた結果、がんを発見する能力が最大で約10倍高まっていました。人のがんを再現したマウスに投与したところ、何もしない場合に比べ、がんの増殖を3~4割に抑える効果が確認できたといいます。
 がん治療薬「オプジーボ」は、がんが免疫の仕組みを回避するのを防ぎます。一方、今回の方法は免疫の攻撃力を高めることで、がんの治療を目指します。
 研究チームの金子新(しん)・京都大学iPS細胞研究所准教授は、「研究を重ねて安全性と効果を向上させ、いずれはがん治療に使いたい」と話しています。

 2018年11月17日(土)

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