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■歯の本数が少ないと適切な睡眠時間を保てない 東北大学などが研究 [健康ダイジェスト]

 年を取ってもできるだけ自分の歯を保持することは健康長寿の秘訣で、これまでに、歯のない人は認知症になりやすい、骨折しやすいといった研究結果も報告されています。先ごろ東北大学などの研究チームは、65歳以上の高齢者を対象に歯の本数と睡眠時間との関連を検討し、歯の本数の少ない高齢者は、睡眠過多または睡眠不足のリスクが高くなると報告しました。
 詳細は、世界睡眠学会および国際小児睡眠学会誌「Sleep Medicine」12月号オンライン版に掲載されています。
 睡眠時間は短すぎても、長すぎても死亡率が上がるほか、糖尿病を始めとする循環器疾患や肥満などの全身疾患にも関連することが、過去の研究で示されています。また、歯は噛みこなしだけでなく、噛み合わせを良好に保つ役割も担っており、歯が1本もない人は下顎が上方に動くことで気道に影響が及び、睡眠時の呼吸を妨げる可能性があるとされています。しかし、これまでに高齢者を対象に歯の本数と睡眠時間との関連を調べた研究はありませんでした。
 そこで研究チームは、日本の高齢者の実態把握を目的に2010年に調査が実施された日本老年学的評価研究に参加した65歳以上の男女について、現在の歯の本数と睡眠時間との関連を検証しました。睡眠時間は4~10時間を1時間ごとに区切り、歯の本数は20本以上、10~19本、1~9本、0本に4分割。睡眠時間は7時間を基準とし、性、年齢、BMI、教育歴、所得、メンタルヘルス、外出頻度、糖尿病の有無、歩行時間、日常生活行動、喫煙歴を調整した上で、睡眠不足または睡眠過多のリスクを解析しました。
 解析対象は、睡眠時間の質問に対して回答の得られた2万548人で、平均年齢は73・7歳でした。
 睡眠時間が7時間と回答したのは、全体の28・1%でした。歯が0本のグループでは、睡眠不足(4時間以下)が3・3%、睡眠過多(10時間以上)が9・0%だったのに対し、歯が20本以上のグループでは、それぞれ2・3%、2・8%でした。
 解析の結果、歯が20本以上あるグループと比べて、0本のグループでは、睡眠不足のリスクが1・43倍、睡眠過多のリスクが1・75倍でした。また、残っている歯が1~9本のグループでは、それぞれ1・29倍、1・48倍と、0本のグループと同様の傾向が示されました。
 研究チームは、「高齢者を対象に、歯の本数と睡眠時間との関係を明らかにしたのは、私たちが知る限り本研究が初めてだ」とした上で、結果については「歯の本数と睡眠時間にかかわるリスクとの関係性は、歯が1~9本残っている人よりも、歯のない人でいっそう強まった。より多くの歯を残せるよう歯の健康を保つことが、適切な睡眠時間の維持、ひいては健康長寿につながる可能性が示された」とコメントしています。

 2018年11月25日(日)

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