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■豊胸で充填剤を注入、しこりや感染症の合併症相次ぐ 学会が禁止の指針作成へ [健康ダイジェスト]

 美容目的の豊胸でジェル状の充填(じゅうてん)剤を注入した女性患者の間で、しこりができたり感染症が起きたりする合併症が相次ぎ、形成外科医らによる日本美容外科学会(JSAPS、正会員1220人)は1年以内を目標に、使用禁止などを盛り込んだ指針をつくることを決めました。国内では規制がないため、厚生労働省にも認可制などの仕組みを求めます。
 充填剤はゼリーのような素材で、管状の器具で乳房に注入します。化学物質のポリアクリルアミドと水を混ぜたものや、シリコーン、ヒアルロン酸などの素材が使われます。シリコーン製のバッグと比べ、充填剤は全身麻酔が不要で傷が小さく、全国の美容クリニックで扱っています。
 日本美容外科学会は6~7月に形成外科医約4000人に充填剤の使用に関するアンケートを実施。回答した132人のうち72人が、計108件の合併症を診察していました。症状別ではしこりなどのかたまり44%、感染症22%、皮膚変化8%、変形6%など。
 豊胸の合併症を多く診療する野本俊一医師(日本医科大学付属病院)によると、充填剤は大胸筋を覆う筋膜と乳腺側の筋膜の間に注入します。その際に菌が入ったり、充填剤が乳腺に入ったりすると、炎症などが起きる恐れがあります。充填剤が乳腺や大胸筋などに散らばると、すべてを取り出すのは難しいといいます。
 日本美容外科学会の大慈弥(おおじみ)裕之理事長(福岡大学副学長)は、「問題の背景には、安全性と有効性が担保されていない充填剤を医師が海外から個人輸入して使っている実態がある。充填剤の豊胸目的での使用はやめるべきだ」と話しています。
 別団体の日本美容外科学会(JSAS、会員975人)も昨年3月、一部の充填剤による豊胸について、推奨できないとする声明を発表しました。
 豊胸目的の充填剤を巡っては、アメリカの食品医薬品局は血管を詰まらせる危険があるなどとして使用を禁じています。流通した場合は押収や罰金などの措置を取ります。日本では、豊胸目的で国の承認を受けたものはありません。一方で、使用に対する規制がないため、医師が自由診療の中で使っており、流通量ははっきりしません。
 充填剤を豊胸に使っている東京都内の医師は、「シリコーン製のバッグよりも胸が軟らかく仕上がるので患者の満足度は高い。問題を起こすのは技術のない医師で、いつ誰がどう施術したか登録する仕組みを作るべきだ」と話しています。

 2018年11月27日(火)

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