SSブログ

■低所得が高齢者の糖尿病リスクに 千葉大が1万人のデータを分析 [健康ダイジェスト]

 長嶺由衣子・千葉大特任研究員らの研究チームが、高齢者1万人のデータを分析し、所得の低い高齢者ほど糖尿病が多いことを明らかにしました。最も所得の低い層は最も所得の高い層に比べて、女性は約1・4倍、男性は約1・2倍、糖尿病の有病率が高くなりました。
 麻生太郎財務相は今年10月、「自分で飲み倒して、運動も全然しない」で糖尿病になった人の医療費を払うのは「あほらしい」と、知人の言葉を借りる形で発言して議論を呼びました。貧困層ほど糖尿病にかかる率が高いとの調査は多数ありますが、糖尿病患者の約半数を占める高齢者と経済格差の研究は国内で初めてといい、関係が改めて浮き彫りとなりました。
 高齢者の大規模調査プロジェクト「日本老年学的評価研究(JAGES)」が2010年に愛知県で集めたデータを調べました。糖尿病と自己申告した人と、健診で「ヘモグロビンA1c」など医学的指標が悪い人の有病率を、所得別に4段階に分けました。
 その結果、最も低い年収125万円以下の女性の糖尿病の有病率は、最も高い年収約300万円以上の層の1・43倍に上り、所得が低いほど糖尿病が多くなりました。男性は1・16倍で、最も所得が低い層のリスクが高くなりました。
 長嶺研究員は、「糖尿病は必ずしも本人の責任だけではなく社会要因が影響している」と指摘。所得が低いと精神的ストレスを抱えて仕事ができなくなったり、栄養バランスが崩れて肥満が多くなったりすることを要因に挙げ、「低所得が糖尿病のリスクになることを考慮した対策が必要」としています。
 結果は、日本疫学会が発行する学会誌「Journal of Epidemiology」に近く発表します。

 2018年12月3日(月)

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。