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■死亡ドナーからの子宮移植で世界初出産 ブラジルの32歳女性 [健康ダイジェスト]

 ブラジルで、亡くなった人から子宮の提供を受けた女性が健康な赤ちゃんを産んでいたことが明らかになりました。死亡したドナーから移植された子宮での出産は世界で初めて。
 移植手術を実施したブラジルのサンパウロ大学の研究チームは、子宮の問題で子供を産めない女性にとって新たな選択肢になるとしています。成果は5日、イギリスの医学専門誌「ランセット」で発表されました。
 移植手術が行われたのは2016年9月。くも膜下出血で脳死状態になった45歳の女性から摘出した子宮を、生まれ付き子宮がないロキタンスキー症候群の32歳の女性に移植しました。その後、体外受精で準備していた受精卵を着床させ2017年12月、女性は帝王切開で女児を出産したといいます。
 最近まで、子宮の問題で妊娠できない女性が子供を持つ方法は、養子縁組か代理出産しかありませんでした。今回の手術は、亡くなったドナーからの子宮移植で出産できることを示す画期的な成果で
す。
 生体ドナーから子宮を提供されて出産に至った例は、2013年にスウェーデンで初めて成功して以降、これまでに計11件あります。しかし、子宮の移植を必要とする女性は生体ドナーの候補よりもはるかに多いため、医師は死亡した女性の子宮の移植がうまくいくかどうかに関心を寄せていました。
 死亡した女性からの子宮移植はアメリカやチェコ、トルコで計10人に行われましたが、どれもうまくいかなかったとされます
 サンパウロ大教育病院のダニ・エイゼンバーグ医師は、今回の成果について「子宮が原因の不妊に悩む女性にとって、実際に取り得る新たな選択肢が生まれた」と説明。「医療の歴史での画期的な出来事」だとし、「死亡時の臓器提供の意思を示している人は生体ドナーよりもずっと多いため、潜在的なドナー人口が大きく広がったことになる」と述べています。
 日本国内では慶応大学が親族間の子宮移植の臨床研究を計画していますが、倫理面の問題もあり、関連学会が指針作りを始めています。日本の臓器移植法は、脳死を含めた死者からの子宮の提供は認めていません。

 2018年12月5日(水)

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