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■風疹の予防接種と抗体検査、来年から3年無料へ 39~56歳の男性対象 [健康ダイジェスト]

 風疹の感染拡大を防ぐため、厚生労働省は11日、流行の中心となっている30歳代から50歳代の男性を対象に、来年からワクチンの予防接種と免疫の有無を調べる抗体検査を原則無料とすることを決めました。
 風疹は妊婦が感染すると赤ちゃんに障害が出る恐れがありますが、今年の患者数は2400人を超えていて、特に、子供のころにワクチンの定期接種の機会がなかった1962年4月2日~1979年4月1日に生まれた39歳から56歳までの男性が流行の中心となっています。
 このため、厚労省は、この世代の男性を対象に、来年からおよそ3年間、予防接種を原則無料とすることを決めました。
 妊婦への感染を防ぐには、男性を含めたすべての人が十分な免疫を持つ必要がありますが、この世代の男性は5人に1人が十分な免疫を持っていないとみられています。
 厚労省は、まずは、十分な免疫があるかを調べる抗体検査を受けてもらい、免疫がないことがわかった場合にワクチンを接種する方針で、抗体検査の費用についても原則無料とすることにしています。
 厚労省は、東京オリンピック・パラリンピックが開催され海外から多くの人が訪れる2020年までに国内の風疹患者をゼロにする目標を掲げています。
 風疹の流行が続く中、患者が多く出ている地域の産婦人科では、風疹の感染に不安を訴える妊婦が相次いでいます。
 このうち、名古屋市天白区にある産婦人科のクリニックでは、風疹に感染していないかや、感染を防ぐ抗体が十分か、不安を訴えたり、相談したりする妊婦が相次いでいます。
 このクリニックを訪れた30歳代の妊婦は、妊娠6週の時、職場で3時間ほど打ち合わせをした50歳代の同僚の男性が数日後、風疹を発症したことを知りました。
 女性は妊娠前の検査で、すでに抗体があってワクチン接種の必要はないと判定されていましたが、患者の間近に長時間いたため、心配になって相談に訪れました。
 風疹は、感染しても15%から30%は症状が出ないため、詳しい検査の結果が出て感染の可能性が極めて低いことがわかるまで、不安で仕方なかったということで、「私のせいで、赤ちゃんに重い障害が残ってしまうのではないかと不安で、眠ることもできなかった」と話していました。
 このクリニックの産婦人科医、種村光代さんは、「不安を訴える妊婦さんが増えている。最近は、働く女性が増えているので、職場での感染に注意しなければならない。成人男性がワクチンを接種して流行をなくさないと、妊婦の不安はいつまでたっても消えない」と話しています。
 予防接種を原則、無料とする対象が39歳から56歳までの働く世代のため、厚労省は、夜間や休日でも接種できるよう医療機関に協力を求めることにしています。
 また、企業に対しては、職場で実施している定期的な健康診断で、十分な免疫があるかを調べる抗体検査を実施するよう、要請していくことにしています。
 根本匠厚生労働大臣は閣議の後の記者会見で、「今回の新たな対策によって、2020年7月までに、現在、39歳から56歳までの男性の抗体保有率を85%以上に引き上げ、風疹の感染拡大を収束させる」と述べました。
 その上で、「今後、同様の感染拡大が起こらないように対策をさらに進める。必要なワクチンを増産するほか、事務手続きに関するガイドラインを作成するなどして自治体を支援し、対策の普及・啓発を徹底していく。今年度中に速やかに追加対策を実施し、2021年度末までに、この世代の男性の抗体保有率を90%以上にまで引き上げることを目指す」と述べました。
 風疹対策の強化を政府に求めてきた自民党の小泉進次郎厚生労働部会長は、「予防接種の原則無料化や、事業所などの健康診断で抗体検査が行われる体制が整備されることは、新たな1歩だ。アメリカが、妊娠中の女性に日本への渡航自粛を呼び掛けるなど、緊急の事態となっていることを踏まえ、スピード感を持って対応してもらった」と述べました。

 2018年12月11日(火)

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