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■アスベストで肺がん、2017年度の労災認定など1054人 建設業554人、製造業405人 [健康ダイジェスト]

 職場で吸い込んだアスベスト(石綿)で肺がんなどになったとして、昨年度に労災と認定されたり、遺族が補償を受けたりした人は、1000人余りに上りました。
 厚生労働省によりますと、職場で吸い込んだアスベストが原因で肺がんや中皮腫などになったとして、2017年度新たに労災と認定されたり、遺族が補償を受けたりした人は1054人となりました。
 業種別では、アスベストが含まれる断熱材などを扱っていた影響で、建設業が最も多く554人、アスベストの製造工場を含む製造業が405人などとなっています。
 健康被害が広く知られるようになった2005年度以降、毎年1000人前後が労災と認定されており、昨年度までで合わせて1万6700人を超えました。
 アスベストによる健康被害は、30年から40年もの潜伏期間を経て現れるため、厚労省では労災認定された人が働いていた全国の事業所、延べ1万3000カ所余りの名称や住所をホームページで公表して、不安のある人は医療機関や労働基準監督署に相談するよう呼び掛けています。
 2017年度新たに労災認定された人が働いていた879事業所(前年度から16減少)の名称や住所を公表、637事業所は新たに公表されました。
 アスベストによる健康被害で労災認定を受けた人は、建設業や製造業に限らず、さまざまな業種に広がっています。
 2016年4月、がんの一種の胸膜中皮腫で死亡した元劇団員の加藤大善さん(当時71歳)もその1人で、今年7月、労災と認定されました。加藤さんは1974年からおよそ6年間、東京都練馬区の劇団「東京芸術座」に所属し、公演先の学校の体育館などで照明や舞台の設置作業に当たっていました。この際、天井に吹き付けられたアスベストを吸い込んだとみられています。
 劇団を辞めてからは、長年、別の仕事をして生活していましたが、2014年12月に胸膜中皮腫を発症しました。労働基準監督署は遺族の請求を認め、40年以上前の劇団員だった時の作業が原因だと認定しました。
 妻のみはるさん(68歳)は「劇団の仕事が関係しているとは当初は考えてもいなかったし、こんなことで命が奪われるのは悔しい。アスベストの問題は誰にでも起きることだと多くの人に知ってほしい」と話していました。
 労災の申請に協力した元所属先の劇団は、「当時は私達もアスベストがどういうものかわからなかった。今も学校などでアスベストは使われているので、新たな被害が出ないように国は対策を図るとともに、埋もれている被害者を掘り起こして救済してほしい」とコメントしています。
 被害者を支援している団体「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」では、「まさか自分がという人が中皮腫を発症している。長い潜伏期間を経てから発症するため、当時の記憶もあいまいになりがちだが、ささいなことでも相談してほしい」と呼び掛けています。
 団体では、20日と21日にアスベストの健康被害に関する全国一斉の電話相談を行うことにしています。午前10時から午後7時までで、電話番号は0120・117・554。
 厚労省も労災補償制度の相談に応じるため、20日と21日の午前10時~午後5時に電話相談窓口を設置します。問い合わせ先は03・3595・3402。各都道府県の労働局や労働基準監督署でも随時、相談を受け付けます。

 2018年12月19日(水)

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