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■見付けにくいがんを血液や尿で早期発見 検査技術の開発が相次ぐ [健康ダイジェスト]

 早期に発見することが難しい膵臓(すいぞう)がんや腎臓(じんぞう)がんを、血液や尿で調べる技術開発が相次いでいます。千葉県がんセンターは尿から膵臓がんの目印を見付ける技術を開発し、大阪大学は血液中の4種類の物質をもとに、85%の精度で膵臓がんの患者を見分ける手法を作りました。
 また、がん研究会と大阪大学は、腎臓がんの検査の目印を見付けました。それぞれ健康診断などの簡易検査で実用化できれば、早期治療や生存率向上につながります。
 膵臓がんは発見しにくく、6割以上の5年生存率を見込める「ステージ1」などの早期に見付かる患者は1割という報告があります。腎臓がんも血液検査での目印がなく、8割が別目的の検査で見付かっており、がんが大きくならないと自覚症状がありません。
 磁気共鳴画像装置(MRI)など高価な装置で調べる方法もありますが利用が限られ、安く簡便な検査法が求められています。
 千葉県がんセンター外科の星野敢主任医長と石毛文隆医長は、がんから尿へ出るRNA(リボ核酸)の一種を目印に、膵臓がんを見付ける技術を開発しました。13人の患者と30人の健康な人を対象にした実験では、7割強の精度で患者を見分けることができました。
 実用化には9割の精度が必要とみており、複数の目印を組み合わせるなどの改良を行い。企業に働き掛けて実用化を目指すといいます。
 大阪大学の土岐祐一郎教授と秋田裕史助教は、血液中の4種類の脂質から膵臓がんを調べる手法を開発しました。116人の患者と138人の健康な人で試すと、患者を見分ける精度は85%でした。秋田助教は、「精度は有望な水準にある。より多くの症例で確かめたい」と話しています。
 がん研究会の植田幸嗣プロジェクトリーダーと大阪大学は、がんが血液中へ出す微粒子に着目。その表面にある分子の「AZU1」を目印に、腎臓がんを見付ける手法を作り、初期のがんの患者でも半数以上を検出できました。東ソーが診断装置を作製しており、1~2年後の臨床試験(治験)を目指しています。
 血液や尿からがんを早期に見付ける検査技術の開発には、島津製作所や日立製作所などの企業が積極的に取り組んでいますが、乳がんや大腸がんなど患者数が多いがんが中心です。

 2019年1月6日(日)

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