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■昨年の梅毒患者、6923人に上る 出会い系アプリの利用も一因 [健康ダイジェスト]

 国立感染症研究所は11日、性行為などを通じて感染する梅毒の2018年患者数が速報値で6923人だったと発表しました。前年より約1100人増え、48年ぶりに6000人を超えました。
 感染が広がっている原因として、スマートフォンの「出会い系アプリ」や「マッチングアプリ」の利用があるとの見方も出ています。
 梅毒は、性的な接触でスピロヘータ (梅毒トレポネーマ)という細菌がうつる感染症。1948年からの報告制度では年間1万人以上の年もあったものの、近年はペニシリンなどの抗生物質の普及で患者数が年間数百人まで減り、「過去の病気」とされていました。それが2011年からは8年連続で増加を続けています。感染すると発疹のような症状が現れ、病気が進むと脳や神経に障害が出ます。特に注意が必要なのが妊婦で、胎内で感染した子供に失明など重い症状が出ることがあります。
 急増しているのが20歳代女性で、3年間で約10倍になりました。2018年1~9月の患者統計によると、20歳代女性は893人で全体(5081人)の2割近く、女性患者(1730人)の5割を占めました。男性は20~40歳代の幅広い年代に広がっています。地域別では、東京都(1284人)や大阪府(874人)など大都市部で目立っています。
 主な感染経路として、性風俗産業の利用者と従業員の接触があります。東京都の新宿区保健所が区内の医療機関を受診した患者を調べたところ、異性間性的接触による感染のうち、男女とも約半数は性風俗産業を半年以内に利用したか、関連の仕事に従事していた人でした。
 さらに、出会い系アプリやマッチングアプリ、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の利用を指摘する専門家もいます。出会い系アプリなどは簡単な操作を売りにして2012年ごろから普及し、売買春の温床にもなっているとされます。保健所の相談窓口でもここ数年、これらの利用を明かす相談者が出てきました。
 帝京大学ちば総合医療センター産婦人科の鈴木陽介医師らは、東京都、大阪府、岡山県など人口当たりの梅毒患者が多い都道府県は、ある3つの出会い系アプリの利用率も高い傾向があるとの調査結果をまとめ、昨年秋の日本性感染症学会で発表しました。鈴木医師は、「アプリ利用による男女の接触が新たな感染経路になっている可能性があり、詳細な調査と対策を急ぐべきだ」と指摘しています。
 厚生労働省は今月から、医療機関による患者発生の届け出内容について、「性風俗への従事歴や利用歴の有無」を加えるなどして感染経路を詳しく分析する方針です。

 2019年1月12日(土)

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