■旧優生保護法下の強制不妊手術で新たに提訴 熊本県と静岡県の女性 [健康ダイジェスト]
旧優生保護法(1948~1996年)に基づき強制不妊手術などを受けたとして熊本県と静岡県の女性2人が29日、国に損害賠償を求める訴えを起こしました。熊本県の女性は1人目に産んだ子供に障害があることを理由に手術を受けたと訴えており、一連の裁判の原告はこれで17人となりました。
熊本県の72歳の女性は、長女に発達の遅れなどがあり、20歳代のころに2人目の子供を妊娠した時、医師から中絶手術と不妊手術を勧められたということです。女性本人には障害はありませんでしたが、手術に同意せざるを得なかったということで、「国が推進しなければ医師が手術を勧めることもなかった」と訴えています。
弁護団によりますと、家族の障害を理由に手術を受けたとして訴えを起こすのは全国で初めてだということです。
また、静岡県に住む聴覚障害のある女性は、49年前の1970年に障害を理由に不妊手術を強制されたと訴えています。
2人は国に対し、それぞれ慰謝料など3300万円を支払うよう求めています。
弁護団によりますと、旧優生保護法を巡る一連の裁判の原告はこれで17人となり、30日には大阪府に住み聴覚障害のある70歳代の夫婦も訴えを起こす予定です。
厚生労働省は29日の提訴について、「訴状が届いていないのでコメントは差し控えたい」としています。
熊本県の女性の弁護団は提訴の後、熊本市中央区で会見を開き、原告の女性のコメントを公表しました。それによりますと、女性は「年を経るほどに、小さい子を見ると後悔がわき上がってきます。若かった当時、不妊手術を勧める理由などの疑問を医師にぶつける強さがなぜなかったのか、自分を責め続けています」としています。その上で、「国の方針がなければ、医師が私に手術を勧めることもなかったのではないかと思います。国に私の人生を返してもらいたいという気持ちです」と訴えています。
弁護団の松村尚美弁護士は、「原告の女性は、障害者が生まれると家族全体がさげすまれて孤立するような社会で生きてきた。社会に染み渡った考え方がいかに彼女を追い詰めたか。まさに彼女こそ優生思想の犠牲者だと考えている」と話していました。
静岡県の女性の弁護団も提訴の後、会見を開き、大橋昭夫団長は「手術を強制された女性は“子供をもうけることができなかったことが悔しい”と話している。女性が回復できない被害を受けたことを法廷で追及する」と述べました。
2019年1月29日(火)
熊本県の72歳の女性は、長女に発達の遅れなどがあり、20歳代のころに2人目の子供を妊娠した時、医師から中絶手術と不妊手術を勧められたということです。女性本人には障害はありませんでしたが、手術に同意せざるを得なかったということで、「国が推進しなければ医師が手術を勧めることもなかった」と訴えています。
弁護団によりますと、家族の障害を理由に手術を受けたとして訴えを起こすのは全国で初めてだということです。
また、静岡県に住む聴覚障害のある女性は、49年前の1970年に障害を理由に不妊手術を強制されたと訴えています。
2人は国に対し、それぞれ慰謝料など3300万円を支払うよう求めています。
弁護団によりますと、旧優生保護法を巡る一連の裁判の原告はこれで17人となり、30日には大阪府に住み聴覚障害のある70歳代の夫婦も訴えを起こす予定です。
厚生労働省は29日の提訴について、「訴状が届いていないのでコメントは差し控えたい」としています。
熊本県の女性の弁護団は提訴の後、熊本市中央区で会見を開き、原告の女性のコメントを公表しました。それによりますと、女性は「年を経るほどに、小さい子を見ると後悔がわき上がってきます。若かった当時、不妊手術を勧める理由などの疑問を医師にぶつける強さがなぜなかったのか、自分を責め続けています」としています。その上で、「国の方針がなければ、医師が私に手術を勧めることもなかったのではないかと思います。国に私の人生を返してもらいたいという気持ちです」と訴えています。
弁護団の松村尚美弁護士は、「原告の女性は、障害者が生まれると家族全体がさげすまれて孤立するような社会で生きてきた。社会に染み渡った考え方がいかに彼女を追い詰めたか。まさに彼女こそ優生思想の犠牲者だと考えている」と話していました。
静岡県の女性の弁護団も提訴の後、会見を開き、大橋昭夫団長は「手術を強制された女性は“子供をもうけることができなかったことが悔しい”と話している。女性が回復できない被害を受けたことを法廷で追及する」と述べました。
2019年1月29日(火)
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