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■高齢患者の蘇生や搬送の中止が可能に 東京消防庁が新たな仕組み導入へ [健康ダイジェスト]

 高齢の患者が自宅などで心肺停止した際、救急隊が駆け付けても家族が「自宅でみとりたい」などとして、蘇生を拒否するケースが相次いでいることから、東京消防庁は救急隊が患者のかかりつけ医に連絡すれば、蘇生や搬送を中止できる新たな仕組みを導入する見通しになりました。
 東京消防庁が設置した専門家による懇話会は、高齢の患者にどのように対応すべきか今後の指針をまとめ、12日に村上研一消防総監に答申書を手渡しました。
 高齢者が自宅などで容体が悪化した際、救急隊が駆け付けても「自宅で最期を迎えたい」という本人や家族の意向で、蘇生が拒否されるケースが全国で相次いでいますが、多くの消防本部ではこうした場合の対応方針を決めておらず、現場の救急隊員からは戸惑う声も多く出ています。
 答申では、本人や家族が蘇生を望まない場合、救急隊がかかりつけの医師に連絡して了承を得れば、蘇生や病院への搬送を中止できる新たな仕組みが必要だとしています。また、現場で家族が署名する「同意書」を作り、蘇生や搬送を中止した経緯を記録に残すとしています。かかりつけの医師と連絡が取れなかった場合は、原則として蘇生を行い病院へ搬送するとしています。
 東京消防庁は答申を基にさらに細かい手順を検討し、早ければ今年中に新たな仕組みを導入する見通しです。
 高齢の患者の救急搬送の在り方については、さまざまな意見が聞かれました。68歳の男性は、「私はすでに書面に意思を表示しているので、この取り組みは本人の意思に従ってくれるという点で安心するし、すごくいいことだと思う。自分の意思を家族に伝えて話し合っておくことが必要だ」と話していました。
 また、80歳代の父親と70歳代の母親がいるという53歳の女性は、「よい取り組みだと思うが、気が動転して普通じゃない状態の時に冷静に同意書にサインできるかどうか難しい。事前に話し合いをしておけばいいが、家族が119番通報してしまう気持ちもわかる」と話していました。
 一方、48歳の会社員の男性は、「同意書を書くと現場で時間がかかってかえって面倒になるのではないか。また、各地の消防によって対応が異なるのも不公平で、人の生死にかかわる話なのできちんと国が法整備するよう検討してほしい」と話していました。
 答申をまとめた東京消防庁救急業務懇話会の会長の山本保博医師は、「患者や家族がどのような最期を迎えたいかについては、家族の中でもっと議論されるべきだし、ふだんから話し合えるような環境を作ってほしい。日本はまだ、最期の迎え方の意思決定をあいまいにすませてしまう傾向があり、何度も家族で話し合う必要がある」と話しています。

 2019年2月12日(火)

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