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■世界のはしか患者数、50%増加し約22万9000人 WHOが再流行を憂慮 [健康ダイジェスト]

 国際連合(UN)の専門機関である世界保健機関(WHO)は14日、2018年の世界のはしか(麻疹=ましん)患者数が前年比約50%増だったとして、はしかの流行を阻止するための取り組みが「後退している」と警鐘を鳴らしました。
 WHOは、はしかの再流行という憂慮すべき傾向が世界規模で起きていることを示す予備データを提示しました。予防接種率が過去最高水準に達している富裕国でも、この傾向が認められています。
 WHOの予防接種・ワクチン・生物学的製剤部門を統括するキャサリン・オブライエン氏は記者団に、「WHOのデータは、はしか患者数の大幅な増加を示している。この傾向はあらゆる地域でみられている」と語りました。
 オブライエン氏は、「現在起きている流行は長期化しており、かなり大規模で、さらに拡大している」とし、「これは個々に孤立した問題ではない」と述べました。
 また、報告された患者数は、実際の患者数の10%足らずだろうといいます。同氏は「報告数で50%の増加が確認されていることを考えると、我々が間違った方向へ向かっていることがわかる」と述べ、感染例の実際数は「数百万件」に上るだろうと指摘しました。
 2018年に世界各国で報告されたはしか患者数のWHOへの提出期限は、4月となっています。だが、すでにこれまでに寄せられたデータの段階で、前年17万3000人だった患者数は約22万9000人に増加しています。WHOの暫定統計によると、2018年のはしかによる世界の死者数は約13万6000人に上るといいます。
 はしかは非常に感染力が強い伝染病で、重度の下痢、肺炎、失明などを引き起こす可能性があり、場合によっては死に至る恐れもあります。WHOによれば、はしかは依然として「幼い子供の主要な死因の一つ」だといいます。
 はしかは1960年代から使用されている「安全かつ有効な」ワクチンの2回接種で容易に予防できるため、こうした状況はもどかしいとWHOは述べています。
 WHOの予防接種普及プログラムを統括するカトリーナ・クレシンガー氏によると、はしか患者数は2000年には85万人以上だったのに対し、2016年までは着実に減少していましたが、2017年以降に急増したといいます。
 貧困国や周縁地域、紛争国などでは、ワクチンを入手できないことが問題になります。しかしその一方で、ヨーロッパや他の富裕地域では、はしかワクチンに関する無関心と誤った情報に再流行の原因の一端があると専門家らは分析しています。
 一部の国々では、はしかワクチンを自閉症と関連付ける医学的根拠のない主張がなされ、そうした主張がいわゆる「反ワクチン」運動の支持者らによってソーシャルメディアなどで拡散されてもおり、これがはしかの再流行に関連しているとされます。
 だが、オブライエン氏は「我々はこれまでの進歩を後退させている」「現在の後退は、予防手段がないから起きているのではない。はしかの予防方法は確実にある」と述べ、「現在の後退の原因は、ワクチン接種が行われていないせいだ」 と指摘しました。

 2019年2月16日(土)

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