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■東大など、ブタ体内で人間の膵臓作製へ 糖尿病治療に道 [健康ダイジェスト]

 東京大の中内啓光特任教授や明治大の長嶋比呂志教授らの研究チームは、人間の膵臓(すいぞう)をブタの体内で育てる研究を2019年度にも始めます。4月にも国が動物の体内で人間の臓器を育てる研究を解禁するのを受け、研究計画を東京大の倫理委員会に申請します。将来は膵臓の病気で発症する糖尿病患者に移植して治療につなげるのが狙い。
 動物の体内で作製した人間の臓器を移植して病気を克服する治療は、脳死からの臓器提供が不足する中、新たな治療法として研究が進んでいます。東京大や国の審査を経て研究を実施すれば、国内では初めてとなります。
 日本ではこれまで研究を規制していましたが、海外では研究が進んでいました。このため厚生労働省などは4月にも解禁する方針を決め、動物と人間の細胞が混ざった「動物性集合胚」と呼ばれる受精卵を、動物の子宮に戻して出産できるようになりました。
 研究では、人間のiPS細胞(人工多能性幹細胞)を活用します。膵臓を作る能力を失わせたブタの受精卵に注入して、人間と動物の細胞が混じった受精卵を作り、ブタの子宮に入れます。胎児まで育てば人間の膵臓を持つブタができます。
 中内特任教授はアメリカのスタンフォード大教授を兼任し、研究が解禁しているアメリカで人間の膵臓を持つ羊を作製する研究を進めてきました。また、ラットの体内でマウスの膵臓を作り、糖尿病になったマウスに移植し治療にも成功しています。
 今回の手法は、心臓や肝臓などさまざまな人間の臓器にも応用可能。中内特任教授は「(臓器移植を必要としている)患者本人の細胞で臓器が作れるiPS細胞には利点も多い」とみており、他人の臓器を使う脳死移植のような拒絶反応が起こりにくく、治療が可能になるといいます。
 ただ、動物による感染症のリスクや倫理問題などがあり、東京大や国などの審査ではこれらの問題を慎重に検討することになります。

 2019年2月17日(日)

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