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■心筋細胞の再生に鎮痛解熱剤が効果 心臓病患者に応用へ [健康ダイジェスト]

 心筋梗塞(こうそく)の治療などに向けて心筋細胞を再生させる研究をしている筑波大などの研究チームが、「ボルタレン」の商品名で知られる鎮痛解熱剤の成分を使うと再生する割合が高まることをマウスの実験で確かめました。心筋細胞の再生を妨げていた細胞内の炎症を鎮めるためとみられます。
 同大の家田真樹(まさき)教授によると、心筋梗塞は心筋細胞が減り、拍動しない線維芽細胞ばかりになります。心筋細胞はiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作製することができますが、高価な上に心臓への移植手術が必要。
 研究チームは9年前、マウスの線維芽細胞に特定の遺伝子を注入するだけで、心筋細胞に再生できることを見付けました。「ダイレクト・リプログラミング」と呼ばれる手法で、iPS細胞を使わない再生医療技術として注目されています。
 その後、再生率を上げるために遺伝子と一緒に投与して効果がある化合物を探していました。「ジクロフェナク」という非ステロイド性抗炎症薬が最も効果があることを突き止めました。これは「ボルタレン」の商品名で知られる鎮痛解熱剤の成分で、すでに医療現場で使われています。
 大人のマウスの細胞に投与したところ、遺伝子注入だけなら1%を切る再生率が2~3%に上がりました。赤ちゃんマウスの細胞に投与したところでは、2%が7%に上がりました。
 家田教授は、「線維芽細胞の中で起きていた炎症が、心筋細胞への再生を阻害していた。それを鎮めたことで再生率が上がった」と話しています。
 今後はサルなどの大動物で安全性を確かめて、心臓病患者への応用を目指すといいます。研究成果は20日付のイギリスの科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」(電子版)に発表されました。

 2019年2月23日(土)

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