SSブログ

■がん薬物療法を理解できる説明書を作成 静岡県立静岡がんセンター [健康ダイジェスト]

 静岡県立静岡がんセンターは21日、複数の抗がん剤を使用するがんの薬物療法について、患者向けの説明書を医師、看護師、薬剤師らの多職種連携でまとめたと発表しました。同センターのホームページで25日から、70療法91冊分のデータを公開しています。
 患者を対象にした全国調査で、治療全般の悩みに占める薬物療法の割合が2003年の19・2%から2013年に44・3%と倍増していたのが切っ掛け。同センターの山口建総長は理由として①薬物療法の7~8割が外来で実施され、患者が副作用と自宅で向き合うことが多い②分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤といった新しい薬剤の登場と併用の増加③術前・術後に投与の機会が増えた、を挙げました。
 一方、病院では医師は治療方針、薬剤師は薬の説明、看護師は日常生活の注意と分担してバラバラに説明することが多く、患者が自分の治療の状況を把握しにくいという課題がありました。また、製薬会社の説明書も、自社の単剤使用に限られるという難点がありました。
 説明書は従来の説明書の欠点に対応するもので、「胃がん オプジーボ療法」「大腸がん ゼローダ+エルプラット療法」など療法別に、使用する薬剤の説明、副作用の種類と発現時期、副作用への対処法を1冊にまとめました。
 薬物療法は吐き気、下痢、脱毛など、一つの療法で多いと20種ほどの副作用を伴います。説明書は食欲不振や嘔吐(おうと)、貧血などの症状の現れ方に応じて、「自宅で様子を見て構わない」「すぐに病院に連絡」といった判断の目安を提示。副作用が出やすい時期を一覧表にするなど、治療過程がわかる工夫も施しました。
 静岡県立静岡がんセンターは2012~2015年度に説明書を試作し、患者、医療者から得られた評価を元に改良を加えました。同センターでは2017年3月から説明書を導入し、これまでに約1900人に配布しました。
 編集を担当した同センター研究所看護技術開発研究部の北村有子さんは、「起こり得る副作用を網羅し、患者の安心につながる内容になった。薬物療法上位100を網羅したい」と話しました。山口建総長は、「患者は読み返しながらセルフケアができる。医療者にとっては説明の標準化ができる。副作用のレベルに応じて対処できるので、医療安全にも役立つ」と話しています。
 著作権は放棄し、25日から誰でもダウンロード(URLはhttps://www.scchr.jp/information-prescription.html)できます。

 2019年2月25日(月)

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。