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■免疫抑制剤使用の子供に安全にワクチン接種を 小児科医師が協力して臨床研究へ [健康ダイジェスト]

 免疫を抑える薬を使っているため、水ぼうそう(水痘)などのワクチンを接種できない子供たちが接種を見送った後に感染症で死亡した事例が報告されていることから、全国の専門の医師が協力して、安全にワクチンを使用する方法を検討する臨床研究が始まることになりました。
 難病の治療や移植手術などで免疫抑制剤を使っている場合、水ぼうそうなどの一部のワクチンは、接種するとその感染症を発症してしまう恐れがあり、原則使用できないことになっていますが、ワクチン接種を見送った後に子供が水ぼうそうで死亡する事例が起きています。
 このため、全国各地の小児科の医師などが協力して、安全にワクチンを接種する方法を検討する臨床研究を3月から始めることになりました。
 対象となるのは、腎臓の機能が低下するネフローゼ症候群という病気や、臓器移植を受けた後の治療で免疫抑制剤を使用している子供などで、およそ2000人を選びます。ワクチンの接種は、専門の医師が免疫の状態を細かく検査するなどして、慎重に実施するということです。
 臨床研究の責任者を務める国立成育医療研究センターの亀井宏一医師は、「すべての患者に接種してよいわけではないが、問題のない子供には接種の機会を作れるようにしたい」と話しています。
 ワクチンの中には、生ワクチンと呼ばれる毒性を弱めているものの感染する能力がある病原体を使ったものがあります。健康な人は生ワクチンを接種しても毒性が弱いので、重い症状は出ずに免疫ができるため、その病気を予防することができます。しかし、免疫抑制剤を使用していると、毒性が弱い病原体であっても感染して発症してしまう可能性があるため、原則として生ワクチンの使用は禁忌とされ、接種できないとされています。
 その一方で、2012年までの10年間に、免疫抑制剤を使っているためにワクチンを接種できなかった3人の子供が、水ぼうそうを発症して死亡したことがわかっています。
 臨床研究を行う医師は、こうした事例について、水ぼうそうのワクチンを安全に接種できれば防ぐことができた可能性があると考えています。
 今回の臨床研究で、免疫抑制剤を使用している子供にワクチンを接種する時には、事前に免疫の状態を調べて、生ワクチンで重症化する恐れが低いことを確認したり、症状が出た時にすぐに対処する態勢を整えたりして、慎重に実施したいとしています。

 2019年2月25日(月)

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