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■ノバルティス、日本で重症の患者向け花粉症薬 今秋にも発売へ [健康ダイジェスト]

 スイス製薬大手のノバルティスは2019年秋にも重症の花粉症患者向けの医薬品を国内で販売します。花粉症向けとしては世界で初めての「抗体医薬」で、高い治療効果が期待できます。気管支ぜんそくの薬として発売済みの薬を花粉症治療薬として、改めて承認を得ます。
 販売するのは「ゾレア」という薬で、医師が処方し医療機関で注射して使います。ノバルティスは日本で臨床試験(治験)を進め、花粉症薬としての有効性が認められました。今年秋にも承認され販売する見込み。
 対象となる患者は、花粉症で一般的に処方される抗ヒスタミン薬やステロイド点鼻薬などの既存薬を使っても十分に効果が得られない成人の重症患者。国内の最終段階の治験では、こうした患者に上乗せ投与することで鼻や目の症状の改善効果がみられました。
 ゾレアの薬価は75ミリグラム1本で約2万3000円で、使用する本数は体重や症状によって月1~16本と大きく異なります。そのため患者の自己負担額もさまざまとなりますが、多くのケースで3万円前後になるもよう。
 既存薬で効果が不十分な重症患者は、国内に200万~300万人いると推定され、ビジネスパーソンや女性の治療ニーズが高くなっています。
 ノバルティスは2002年にも日本だけを対象に最終段階の治験を実施しましたが、当時は抗体医薬が最新の医薬品だったこともあり、承認申請を断念した経緯があります。今回、改めて治験をやり直し、有用性を証明しました。
 抗体医薬はバイオ医薬品の一種で、疾患の原因をピンポイントで抑えられるのが特徴。重症疾患の治療によく用いられ、昨年には重いアトピー性皮膚炎に使える抗体医薬が登場しました。

 2019年2月25日(月)

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