SSブログ

■アメリカでマラリア防ぐワクチンの臨床試験始める 日本人研究者の創薬ベンチャー [健康ダイジェスト]

 日本人研究者が創業したアメリカのメリーランド州の創薬ベンチャー「VLPセラピューティクス」が、マラリアの感染を防ぐワクチン候補薬の安全性や効果を確かめる臨床試験をアメリカ国内で始めました。創業者の1人で最高経営責任者(CEO)の赤畑渉さん(45歳)は、「世界の人口の約半数に感染のリスクがある病気で、実用化されれば多くの命を救えるかもしれない」と話しています。
 アメリカの食品医薬品局(FDA)が1月に許可しました。5月から30人にワクチン候補薬を3回ずつ投与し、感染時に速やかに治療できる体制を整えた上で、蚊を使って実際に感染を防げるか調べます。年内には結果が得られる見通し。
 ワクチン候補薬は、ゲノム(全遺伝情報)を持たないものの、外見が特定のウイルスと同じ形状の微粒子(VLP)の表面に、マラリアの抗原となるタンパク質を結合させた構造。投与すると体内で抗体が作られ、マラリア原虫が侵入すると免疫が働いて撃退する仕組みです。
 赤畑さんはアメリカ国立衛生研究所(NIH)の上席研究員を経て2013年に同社を設立し、感染症やがんのワクチン開発に取り組んできました。病原体を弱毒化させた生ワクチンはごくまれに病気を発症させる可能性がありますが、ゲノムを持たず、体内で増殖しないVLPワクチンにはそうした心配がないといいます。
 世界保健機関(WHO)によると、2017年にはアフリカを中心に推定2億1900万人がマラリアに感染し、43万5000人が死亡、その6割が5歳未満の子供とみられます。開発中のワクチンはありますが、実用化には至っていません。
 マラリアに詳しい金子修・長崎大熱帯医学研究所教授(病原原虫学)は、「高度流行地のマラリア患者は薬で治療してもすぐに再感染してしまうため、有効なワクチンができればその意義は極めて大きい。臨床試験の経過に注目したい」と話しています。

 2019年2月26日(火)

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。