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■「キラーT細胞」のがん攻撃力が疲弊する仕組みを解明 慶大など日米の研究チーム [健康ダイジェスト]

 がんを攻撃する免疫細胞「キラーT細胞」は、活性化され続けると「疲弊」して攻撃力が弱まることが知られています。慶応大とアメリカのラホヤ免疫アレルギー研究所の共同研究チームは、疲弊の原因となる遺伝子を突き止めました。論文は2月28日、イギリスの科学誌「ネイチャー」電子版に掲載されました。
 オプジーボなどのがん免疫療法はキラーT細胞のがんを攻撃する力を利用しますが、疲弊したキラーT細胞の攻撃力は弱く、その仕組みの解明が課題でした。
 慶応大医学部の吉村昭彦教授(免疫学)らは、疲弊化したキラーT細胞で特徴的に働く遺伝子を解析。遺伝子の働きを調節するタンパク質「Nr4a」が、キラーT細胞のブレーキ役となる分子「PD-1」の働きを強める一方、がん細胞を攻撃する分子の産生を弱めていることもわかりました。
 Nr4a遺伝子を欠損させたキラーT細胞を作り、腫瘍を持つマウスに移植したところ、腫瘍が小さくなり、90日後も約7割が生存していました。一方、通常のキラーT細胞を移植したマウスは約半数のキラーT細胞が疲弊し、90日後の生存率は0%でした。 
 共同研究チームは今後、人のキラーT細胞でも同様の仕組みがあるか調べます。吉村教授は、「Nr4aなどキラーT細胞の疲弊を引き起こすタンパク質を標的とした阻害剤は、がん治療の新たな鍵になり得る」と話しています。

 2019年3月2日(土)

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