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■拡張型心筋症の治療法、名大が今春にも臨床研究へ 心臓に袋をかぶせて進行抑制 [健康ダイジェスト]

 心臓が膨らんで筋肉が薄くなり、血液を全身に送り出すポンプ機能が低下する難病「拡張型心筋症」の患者に対し、心臓にメッシュ状の袋をかぶせて進行を抑える臨床研究を、名古屋大の研究チームが今春にも始めます。心臓移植に至る重症患者を減らせる新たな治療法として、3年以内の実用化を目指すといいます。
 拡張型心筋症では主に投薬治療が行われるものの、根本的な治療は心臓移植しかありません。心臓の膨らみを袋で抑える手法は欧米でも試みられましたが、心臓の一部を圧迫し、かえって心機能を悪化させたケースもあり、実用化には至っていません。
 研究チームは心臓の画像を基に、患者に適したサイズの袋を作る手法を開発。袋は外科手術の縫合用の糸をメッシュ状に編んだもので、一部に穴を開けて心臓を圧迫しない構造にしました。ブタなどの実験で、心機能の改善効果を確認できたといいます。
 対象は20~75歳の患者3人で、手術後は半年間、安全性や心機能を調べます。その後、保険承認を目指す臨床試験(治験)に移る方針。
 研究チームの秋田利明・特任教授(心臓外科)は、「手術は1時間以内ですみ、感染症などのリスクも少ない。早期に実用化し、心臓移植でしか救命できない重症者を減らしたい」と話しています。
 坂田泰史・大阪大教授(循環器内科)は、「心機能を維持する治療の選択肢になると期待できる。今後、どんな患者に有効かを見極めることが課題になる」と話しています。
 拡張型心筋症は、呼吸困難や不整脈などの症状が起きる難病。多くは原因不明で、補助人工心臓を装着し、心臓移植を待つ患者も多くいます。国の医療費助成を受ける患者は2016年度末現在、約2万8000人。

 2019年3月4日(月)

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