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■iPS細胞から作った目の角膜移植、厚労省の部会も了承 6月から7月ごろにも実施へ [健康ダイジェスト]

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作製した目の角膜の組織を患者に移植して、視力を回復させる大阪大などの臨床研究が厚生労働省の部会で条件付きで了承されました。iPS細胞を使った角膜の再生医療は世界で初めてで、角膜移植を待つ患者の新たな選択肢になるか注目されます。
 厚労省の部会で了承されたのは、大阪大の西田幸二教授らの研究チームが計画している臨床研究で、角膜が濁って視力が大きく低下し、失明することもある「角膜上皮幹細胞疲弊症」の患者4人にiPS細胞から作製した円形のシート状の角膜の組織を移植し、1年間、安全性と有効性を確認します。
 厚労省の部会は5日、計画について審議し、患者4人のうち2人が終わった段階で部会に報告することなどを条件に了承しました。
 iPS細胞を応用した角膜の再生医療は世界で初めてで、臨床応用に向けた厚労省の手続きが終わったのは目の網膜の難病やパーキンソン病、それに重い心臓病などに続いて6件目です。
 計画では元になるiPS細胞は京都大で保管されているものを使い、数百万個の細胞で角膜の組織を作る計画で、拒絶反応を抑える免疫抑制剤については2例目までは使用して、その後は状況をみて、使用するか検討することにしているということです。
 研究チームは今後、対象となる患者を選定し、早ければ今年6月から7月ごろには1例目の移植を行いたいとしています。
 厚生労働省によりますと、角膜の移植はアイバンクに事前に登録した人などが亡くなった時に角膜を提供してもらい行っていますが、提供者が減っていて、昨年3月の時点で角膜の移植を待つ人の数は全国で1600人以上いるということです。
 研究チームでは、安全性と有効性が確認できれば対象となる病気を広げていきたいとしています。
 西田教授は、「ここからがスタートで、安全に迅速に臨床研究を行い、早く標準的な治療になるよう実施していきたい。角膜移植では角膜を提供してくれるドナーが不足しており、補うような役割を果たせればと思っている」と話しています。
 今回の臨床研究の対象となるのは角膜上皮幹細胞疲弊症と呼ばれる病気で、角膜の最も外側にある「角膜上皮」と呼ばれる組織が病気やけがなどで傷付いて白く濁り、視力が低下するほか、悪化すると失明することもあります。国内の患者数は500人ほどと推定されています。

 2019年3月5日(火)

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