■拒絶反応少ないiPS細胞 、ゲノム編集で作製成功 京都大iPS細胞研究所 [健康ダイジェスト]
京都大学iPS細胞研究所の金子新准教授と堀田秋津講師らの研究チームは、再生医療に利用した際に拒絶反応を起こしにくいiPS細胞(人工多能性幹細胞)の作製法を開発しました。新技術で作ったiPS細胞を12種類用意すれば、再生医療の際、日本人の95%以上で適合するといいます。再生医療の普及に役立つ成果です。
論文は8日付でアメリカの科学誌「セル・ステム・セル」の電子版に掲載されました。
再生医療での拒絶反応は、患者の体内に入れた他人の細胞を、患者の免疫が排除しようとすることで起こります。研究チームは遺伝子を効率よく改変する「ゲノム編集」技術を使い、2種類の遺伝子の働きを抑えたiPS細胞を作製しました。
こうして作ったiPS細胞から血液細胞を作り、マウスに移植しました。1週間経過を観察すると、ゲノム編集をしていない場合に比べて、移植細胞が免疫から攻撃されにくくなっていました。
京都大は再生医療向けに拒絶反応の起こりにくい特殊なiPS細胞を探して、備蓄する事業を進めています。これまでに3種類用意しており、2020年度末までに10種類そろえて、日本人の50%をカバーする計画を示しています。
研究チームは今回の新技術で12種類のiPS細胞を用意するだけで、日本人の95%以上をカバーできると試算しています。同研究所の山中伸弥所長は「次世代iPS細胞」と位置付けて、2020年には整備する目標を掲げており、今回の新技術を応用する見込みです。
現在、世界のほとんどの人に対し、移植時の拒絶反応のリスクが小さいiPS細胞を提供するためには、1000種類を超すiPS細胞が必要になります。ゲノム編集技術を使えば、種類を大幅に減らせます。
2019年3月8日(金)
論文は8日付でアメリカの科学誌「セル・ステム・セル」の電子版に掲載されました。
再生医療での拒絶反応は、患者の体内に入れた他人の細胞を、患者の免疫が排除しようとすることで起こります。研究チームは遺伝子を効率よく改変する「ゲノム編集」技術を使い、2種類の遺伝子の働きを抑えたiPS細胞を作製しました。
こうして作ったiPS細胞から血液細胞を作り、マウスに移植しました。1週間経過を観察すると、ゲノム編集をしていない場合に比べて、移植細胞が免疫から攻撃されにくくなっていました。
京都大は再生医療向けに拒絶反応の起こりにくい特殊なiPS細胞を探して、備蓄する事業を進めています。これまでに3種類用意しており、2020年度末までに10種類そろえて、日本人の50%をカバーする計画を示しています。
研究チームは今回の新技術で12種類のiPS細胞を用意するだけで、日本人の95%以上をカバーできると試算しています。同研究所の山中伸弥所長は「次世代iPS細胞」と位置付けて、2020年には整備する目標を掲げており、今回の新技術を応用する見込みです。
現在、世界のほとんどの人に対し、移植時の拒絶反応のリスクが小さいiPS細胞を提供するためには、1000種類を超すiPS細胞が必要になります。ゲノム編集技術を使えば、種類を大幅に減らせます。
2019年3月8日(金)
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