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■人工透析中止は5人、うち4人が死亡 公立福生病院 [健康ダイジェスト]

 東京都福生(ふっさ)市の公立福生病院の人工透析治療を巡る問題で、2014年ごろ以降、新たに2人が外科医(50歳)から治療をやめる選択肢を提示され、いずれも死亡していました。昨年8月に亡くなった女性(当時44歳)も含めて計5人が治療の中止を選び、うち4人が亡くなった全容が判明しました。
 これとは別に病院では、腎臓病総合医療センターを開設した2013年4月以降、2017年3月までに、最初から透析治療をしない「非導入」で計20人が死亡したことがわかっています。
 人工透析治療をやめた5人とも終末期ではなく、治療を続ければ「年単位で生きた」と外科医は話しています。外科医と腎臓内科医(55歳)によると、2014年ごろ、腎不全のため意識不明で運ばれた80歳代女性に緊急的な治療を実施。意識が戻った女性が「(透析を)やめてくれ」と申し出たため、外科医が「やめたら死につながる」と説明。本人と家族の承諾を得て翌日に透析を中止し、女性は自宅に戻って死亡しました。
 外科医らは「驚いた。(最初は中止に)積極的ではなかった」と振り返ります。だが、「(患者が治療を)よく理解しないまま(医師側に)お任せ」するのは「正しい医療ではない」と考え、継続か中止かの選択肢を提示することに決めました。
 初めて治療をやめる選択肢を示したのは2015年ごろ。導入後2カ月の男性(55歳)に対して、「継続するも自由、やめるも自由」と提示。男性は「やめる」といって自宅に帰りました。男性は食事制限を受けていましたがステーキを食べて亡くなったといい、家族から感謝されたといいます。
 昨年に入ると、「より具体化し、自信を持って」治療をやめる選択肢を示すようになりました。80歳代女性の透析用血管の分路が不調で持病もあったため、外科医が「どうするかを考える時期だ」と中止を含めた選択肢を提示。家族も同意して治療は中止され、女性は約2週間後に自宅で死亡しましたた。
 さらに、30歳代男性から「後、何年治療したら(体が)よくなるのか」と問われ、外科医は、一生続ける必要があることを説明すると同時に、やめる選択肢を提示。男性は「ようやくわかった。透析をする意味も価値も感じない」と話して紹介元のクリニックに戻りました。生死は不明だといいます。
 外科医は、透析治療をやめると心臓や肺に水がたまり、「苦しくなってミゼラブル(悲惨)で、見ているこちらも大変。透析の離脱(中止)はしてほしくない」と話す一方、「『透析したくない』というのは立派な主張。患者にとってメリットだという信念で、適正な選択肢を示している」と話しています。

 2019年3月14日(木)

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