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■世界初、HIV感染者同士で生体腎移植 米ジョンズ・ホプキンス大で実施 [健康ダイジェスト]

 アメリカのメリーランド州ボルティモアのジョンズ・ホプキンス大は28日、エイズウイルス(HIV)感染者同士の生体腎移植を25日に実施したと発表しました。腎臓の提供者、患者ともに術後の経過は順調だといいます。どちらも感染者による生体腎移植は「世界初」としており、移植待機者を減らすことができるとしています。
 腎臓を提供したのは、ジョージア州アトランタ在住の医療コンサルタント、ニーナ・マルティネスさん(35歳)。HIV感染者の友人が移植を必要とすることを知り、提供者になることを決意しました。事前の検査を受ける間に友人は亡くなりましたが、別の患者への移植を進めました。マルティネスさんは、エイズ患者が病人で元気がないと見られるのを変えたかったといいます。提供を受けた人(レシピエント)の身元は明らかにされていません。
 生体腎移植は、腎機能が正常な人から、2つある腎臓の1つを取り出して患者に移植します。これまで、HIV感染者が腎臓を提供した場合、ウイルスの影響で残った腎臓が病気になるリスクが高まると考えられ、提供できませんでした。
 だが、ジョンズ・ホプキンス大の外科医チームのドリー・セゲブ教授らが4万人以上の感染者を調べたところ、新しい抗レトロウイルス薬によって腎臓へのリスクは感染していない人と同程度だとわかったといいます。
 マルティネスさんは、「過去の患者が(HIVに関する)研究に参加したお陰で私は生き延びている。今度は私の番だ」と話しました。ジョンズ・ホプキンス大の外科医チームのクリスティン・デュランド准教授によると、移植手術の経過は「申し分ない」といい、「(マルティネスさんとレシピエントは)この贈り物にとても感謝している。今後は長期転帰を観察していく」と述べました。
 死亡したHIV感染者からの腎臓提供は、南アフリカで行われたのが最初。アメリカではセゲブ教授らの研究で安全性が確認され、2013年にエイズ患者同士の臓器移植を可能にする法律ができました。アメリカでは2016年以降、死体からの腎移植は116件行われていますが、安全性の問題はないといいます。
 日本では日本臓器移植ネットワークの基準で、HIVなどの感染者からの臓器提供は行わないことになっています。

 2019年3月29日(金)

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