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■増え続ける梅毒患者、今年も1627人に 早期の受診が大切 [健康ダイジェスト]

 性感染症の梅毒患者が増え続けており、昨年の患者数は7000人近くに上りました。妊婦にうつると死産や早産になることもあり、感染が疑われる場合は、すぐに医療機関を受診し、治療を始めることが大切です。
 梅毒は、「梅毒トレポネーマ」という細菌が原因で発症します。性行為によって、性器や口、肛門の粘膜の傷などから、この細菌が体内に入ると感染します。
 戦後間もない1940年代後半、国内に20万人以上の患者がいました。その後、治療薬が普及して患者は減少したものの、国立感染症研究所のまとめによると、2011年ごろから再び増え始めました。2017年には44年ぶりに5000人を超え、2018年は暫定値で6923人。今年も4月7日までに1627人と昨年の同時期を上回っています。
 患者の中心は、男性が20~40歳代、女性は20歳代。10歳代の患者の報告もあります。
 症状の出方は、人によってさまざま。一般的には感染から3週間ほどたつと、性器や口、肛門など、感染した部分にしこりができます。太ももの付け根のリンパ節がはれることもあります。治療をしなくても症状は消え、この時期を「第1期梅毒」といいます。
 治療をしないまま感染から約3カ月が経過すると、「バラ疹」と呼ばれる赤い発疹が体や手のひらなどに現れるようになります。発疹は出たり消えたりを繰り返すこともあり、こうした症状が続く期間が「第2期梅毒」。
 3年以上になると「晩期梅毒」と呼ばれ、ゴムのような腫瘍(ゴム腫)が皮膚などにできます。何年もたってから心臓や血管などに異常が生じ、死亡することもあります。
 梅毒に詳しいプライベートケアクリニック東京(東京都新宿区)院長の尾上泰彦さんは、「発疹などが出ても、痛みやかゆみはほとんど伴わない。症状が出なかったり、第1期と第2期の症状が混在したりする患者もいる」と説明しています。
 治療では、ペニシリン系の抗菌薬を4週間前後、飲み続けます。尾上さんによると、この冬、クリニックを訪れた20歳代の女性は、腹部や胸、手のひら、足の裏に発疹が出ていました。検査で梅毒と診断され、抗菌薬を使うと症状は治まりました。
 パートナーにも検査を受けてもらったところ、梅毒に感染していることがわかりました。こうしたケースは、珍しくないといいます。
 国立感染症研究所細菌第1部長の大西真さんは、「梅毒トレポネーマは感染力が強く、性器や口などの粘膜に触れると、ほぼ感染すると考えておいたほうがよい。特に第1期の時期は感染しやすく注意が必要だ。自分が梅毒にかかっていることがわかったら、必ずパートナーにも検査を受けてもらってほしい」と指摘しています。
 梅毒は、1度かかっても免疫はできません。再び、梅毒トレポネーマを持った人と性交渉を行えば、何度でも感染します。
 大西さんは、「コンドームを使うことで、完全ではないが、感染のリスクを減らすことはできる。不特定多数の人と性交渉を行えば、その分、感染リスクが増えることも理解してほしい」と注意を呼び掛けています。

 2019年5月6日(月)

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