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■受精卵無断移植でも父子関係 最高裁で判決確定 [健康ダイジェスト]

 凍結保存していた夫婦の受精卵を妻が別居中の夫に無断で移植して出産し、夫だった外国籍の男性が子供とは法律上の父子関係がないと訴えた裁判で、最高裁判所は男性の上告を退ける決定をし、父子関係を認めた判決が確定しました。
 確定判決によると、奈良県内の40歳代の男性は2004年に妻と結婚し、2010年に複数の受精卵をクリニックに凍結保存しましたが、その後、夫婦関係が悪化。別居状態中に妻は男性の同意を得ずに受精卵を移植し、2015年に2人目の子供である女児を出産しました。
 男性は、女児について「同意のない出産で、法律上の父子関係はない」と、2016年に離婚した後に訴えました。
 民法には結婚中に妻が妊娠した子供は法律上、夫の子とするとした「嫡出推定」という規定があり、裁判では夫に無断で受精卵を移植したことについて、この規定が及ばない事情といえるかが争われました。
 2審の大阪高等裁判所は、この夫婦について別居していても夫婦の実態が失われていなかったとした上で、「同意がないことは子の身分の安定を保つ必要がなくなる理由にならず、民法の規定が及ばない特段の事情とはいえない」と指摘し、1審の奈良家庭裁判所に続いて法律上の父子関係を認めていました。
 これに対して男性が上告していましたが、最高裁判所第2小法廷の三浦守裁判長は7日までに上告を退ける決定を出し、父子関係を認める判決が確定しました。
 民法の制定時には体外受精による妊娠は想定されておらず、現在も法的な父子関係を認める場合の規定がありません。最高裁判所決定も、どういう場合に認めるべきか、また受精卵の移植に夫の同意が必要かについての言及はありませんでした。

 2019年6月8日(土)

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