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■未成熟な卵子を体外で成熟させる計画を公表 大阪市の医療法人、国の初承認施設 [健康ダイジェスト]

 不妊治療専門施設を運営する医療法人オーク会(大阪市西成区)は12日、生殖補助医療の基礎研究のため受精卵を作る計画の詳細を発表しました。受精卵は子宮に移せば人として誕生する可能性がありますが、研究後廃棄します。国の専門委員会は今年3月、2011年の倫理指針施行後初めて研究目的の受精卵作製を了承。文部科学、厚生労働相の確認などがすめば研究を開始できます。
 厚労省はこれまで、知的財産保護のためとして施設名を伏せていました。オーク会は、「予想外の社会的関心があり、社会的責任を果たすため説明することにした」としています。
 研究は、オーク住吉産婦人科(大阪市西成区)で行います。体外受精のため女性の体から採取した卵子のうち、1割程度含まれる未成熟な卵子を有効に成熟させる技術の開発が目的。通常、未成熟卵子は廃棄されますが、40歳代の女性など採取できる卵子が少ない人のため、未成熟卵子を活用する技術が求められています。
 オーク会はすでに、未成熟卵子の約8割を体外で培養液に入れて成熟させる「体外成熟培養(IVM)」という技術を開発しました。しかし、体外受精の成功率や、発育して着床可能になる割合は、体内で成熟した卵子に比べて低くなっています。このため、成熟の際に2種類の抗酸化物質をそれぞれ加え、受精率などが改善するか調べることにしました。動物実験では、効果を確認したといいます。
 未成熟卵子は、廃棄を決めた女性の同意を得た上、計300個を誰の卵子かたどれないようにして使います。夫の精子で受精卵を作製し、受精率などを調べた後、14日以内に廃棄します。
 研究責任者の田口早桐(さぎり)医師は、「採卵は連日の注射や通院など患者の負担が大きく、未成熟だったと伝えられて泣き崩れる人もいる。研究で、採取した卵子を一つも無駄にしないようにしたい」と説明しました。

 2019年6月14日(金)

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