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■日本人が座っている時間は世界トップクラス 健康を考慮して仕事見直す企業も [健康ダイジェスト]

 職場では長時間のデスクワーク、自宅ではテレビやスマートフォンに向き合う現代人は1日の約60%を座って過ごすとされ、中でも日本人が座っている時間は世界トップクラスだというデータがあります。近年、そんな「座りすぎ」が健康に悪影響を及ぼす恐れがあるとの研究結果が明らかになりました。
 肥満、糖尿病、脳血管疾患、認知症などに罹患(りかん)するリスクが高まり、寿命が縮まる可能性を指摘する専門家もいます。こうした現状に対し、オフィスワーカーにとって当たり前の「座りながら仕事」を見直す企業も出てきました。
 オーストラリアのシドニー大学などが2012年に発表した調査結果は、1日11時間以上座る人は4時間未満の人と比べ死亡リスクが40%アップするというもので、世界に衝撃を与えました。
 また、明治安田厚生事業団体力医学研究所が2018年に発表した調査結果は、1日9時間以上座っている成人は7時間未満と比べて糖尿病をわずらう可能性が2・5倍高くなるというものでした。
 なぜ「座る」という日常では当たり前の行動が健康へ悪影響を与え、死亡リスクを高めるのか。
 座りすぎが健康に及ぼす影響について研究している同研究所の甲斐裕子主任研究員(人間環境学)は、「座りすぎのライフスタイルは筋肉の代謝や血流の悪化を招く」と指摘し、「人間の体で一番大きい大腿(たい)四頭筋などの下半身の筋肉は、座っている状態だとほとんど稼働せず、筋肉への刺激が少なく、この状態が続くとブドウ糖の吸収を促すインスリンの効きが悪くなるインスリン抵抗性が起こり、血糖値が上昇するため、糖尿病となるリスクがある」と説明しています。
 その上で、こうした生活習慣が長期にわたれば、糖尿病だけではなく、肥満、がん、認知症などの健康リスクを引き起こし、寿命が縮まる可能性にも言及しています。
 メンタルヘルスにも影響するといい、1日12時間以上座っている人は、6時間未満の人と比べて、抑鬱(よくうつ)や心理的ストレスなどを抱える人が3倍近く多いといいます。
 対策について甲斐主任研究員は、「30分以上座っていると代謝が落ちてくるため、定期的に筋肉に刺激を与えることが重要。高さを変えて、立った状態でも仕事ができる昇降式デスクの導入などで座っている時間を短くすることが効果的だが、一定時間ごとに業務を中断し、椅子から立ち上がり、数分でも歩いたり体を動かしたりすることも有効」と話しています。 
 企業の取り組みも進み、実験的に「座りすぎ中断プログラム」を導入したのが、企業の事務代行サービスを手掛ける「MYJ」(東京都江東区)。1日に3回、3分間の「健活☆タイム」を設けています。
 席を立って自由に活動できるもので、健康器具の利用やストレッチなど、従業員にプログラムを提供することで、起立プラスアルファの運動を促しています。先行部署での取り組みの結果、「肩凝りが改善された」「眠気がとれた」といった好意的な社員の声が多数あり、今年2月から全社的に導入が開始されました。
 企業の健康づくりなどを支援する明治安田健康開発財団の塙智史課長は、座りすぎ防止取り組みの普及に期待を込め、「健康面以外でも、上下関係を気にせず気軽に話し合えたりするなどのメリットがあり、生産性向上にもつながる」と話しています。

 2019年6月28日(金)

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