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■脳脊髄液減少症の診断対象を拡大 厚労省研究班が診療指針を公表へ [健康ダイジェスト]


 外傷などを切っ掛けに激しい頭痛やめまいを引き起こす「脳脊髄(せきずい)液減少症」について、厚生労働省の研究班は5日、診療指針の概要を発表しました。現行の診断基準に当てはまらない程度の小さな髄液の漏れを診断対象に含める上、指針を使うことで症例に詳しくない医師も診断できるようになります。
 研究班代表で山形大学医学部の嘉山孝正参与は、「この指針により診断される患者はさらに増える」と説明しました。
 診療指針は、12年間に及ぶ研究成果の集大成。少量の髄液漏れを示すと考えられるMRI(磁気共鳴画像化装置)の画像を新たに紹介し、対象を拡大します。発症原因や症状、治療法も掲載して今秋に公表します。
 脳脊髄液減少症は未解明な点も多く、患者が正確な診断を受けられないケースがあるとされます。一部の医師が2000年ごろから治療に取り組むようになったものの、「髄液が漏れることはあり得ない」との反対意見が強く、医学界で論争が起きました。さらに、こうした見解の相違が原因で、交通事故などの治療費を巡る裁判も相次いできました。
 研究班は日本脳神経外科学会など関連8学会の代表らが参加し、2007年に発足。2014年に、外傷で髄液が漏れ脳脊髄液減少症が発症すると認めた診断基準を公表しました。厚労省は2016年、この基準に該当する症例について、漏れを自分の血液で止める治療法「ブラッドパッチ」の保険適用を認めました。
 しかし、漏れが少ないと画像による判断がしづらく、医師によって診断にばらつきがあるとの指摘がありました。
 今回の指針では、詳細な解説や検査の画像例を盛り込むなどして、2014年の基準を具体化します。
 一方で、漏れ以外の理由で髄液が減少する可能性も指摘されており、これらの症例は別の研究班が調査しています。
 脳脊髄液減少症患者・家族支援協会の中井宏代表は、嘉山氏らの成果に謝意を述べる一方、「この病気は完全には解明されていない」としてさらなる調査に期待を示しました。

 2019年7月6日(土)
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