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■ストレスによる交感神経の刺激で乳がん悪化 岡山大などがマウスで解明 [健康ダイジェスト]

 岡山大学の神谷厚範教授(細胞生理学)や国立がん研究センターなどの研究で、患者がストレスにさらされると乳がんが悪化するとの関係性が、細胞レベルで解明されました。ストレスで活発になった神経の活動を遺伝子操作で止めて、乳がんの進行を抑える治療法につながる可能性があるといいます。
 8日、専門誌「ネイチャーニューロサイエンス」(電子版)に発表しました。
 不安や恐怖、怒りといったストレスが生じると、交感神経の活動が高まります。交感神経とがん進行のかかわりは以前から疫学調査の結果などから指摘されてきましたが、詳細は不明でした。
 神谷教授らは、乳がん組織内の交感神経に着目。国立がん研究センターで手術を受けた乳がん患者29人のがん組織を調べたところ、がん組織内の交感神経の密度が高い人は再発しやすいことがわかりました。
 さらに、マウスに人の乳がん組織を移植し、乳がん組織内の交感神経を刺激し続けました。60日後、刺激しないマウスと比較すると、がんの面積は2倍近く大きくなり、転移数も多くなりました。一方、遺伝子治療で交感神経の活性化を止めると、60日経ってもがんの大きさはほとんど変わらず、転移もありませんでした。
 神谷教授は、「不安や怒りなどをうまくコントロールし、交感神経を刺激しすぎないようにすることで、よい影響を与えられるかもしれない」と話しています。
 また、これまでのがん治療は手術や薬物治療、放射線治療が中心でしたが、がん組織内の局所の交感神経の活動を抑制する遺伝子治療が使えるようになれば、「がん治療に『神経医療』という新たな選択肢ができるかもしれない」と指摘しています。

 2019年7月9日(火)

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