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■肥満が聴力低下のリスクを上昇させる 国際医療研究センター、5万人を8年追跡 [健康ダイジェスト]

 肥満に高血圧、代謝異常などが加わったメタボリック症候群は、多様な生活習慣病を引き起こすことが知られていますが、聴力の低下にも関係していることが国立国際医療研究センターなどの大規模疫学研究で判明しました。
 同センター疫学・予防研究部の溝上哲也部長らの研究チームが、関東・東海地方に本社のある企業十数社の従業員計約10万人を対象としたJ-ECOHという研究の一環として実施。2008~2011年度の健康診断で聴力が正常だった20~64歳の約5万人を最大8年間追跡調査しました。
 対象者を「体格指数(BMI)が25以上の肥満か」と「血圧・血糖・中性脂肪・善玉コレステロールの値が2項目以上メタボリック症候群の基準に該当するか」との条件で4グループに分け、1000ヘルツ未満の低音域と4000ヘルツ超の高音域で、聴力低下が起きるリスクを比較しました。
 その結果、BMI25未満の非肥満のグループを1とした時の25以上30未満のリスクは低音域で1・22倍、30以上では1・72倍になりました。高音域でも、同じく太っているほどリスクが高くなりました。
 その他のメタボ基準を加味すると、非肥満でその他基準に該当しないグループのリスクを1とした時、低音域では非肥満・その他該当のグループは1・19倍、肥満・その他非該当は1・27倍、肥満・その他該当は1・48倍となり、高音域でも同じ順番でリスクが高まることがわかりました。
 研究チームは、高血圧や代謝異常による動脈硬化で血管が狭まったりふさがったりし、耳への血流が減少すること、肥満に伴う酸化ストレスや炎症、低酸素などで聴覚細胞が損傷することなどが影響するとみています。

 2019年7月31日(水)

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