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■皮膚がんを遺伝子操作したウイルスで治療 東大と信州大が臨床試験を開始へ [健康ダイジェスト]

 信州大病院と東京大医科学研究所病院は8月27日、がん細胞を狙い撃ちするよう遺伝子操作したウイルスを使って、皮膚がん治療の治験(臨床試験)を9月にも始めると発表しました。切除ができなかったり転移があったりする皮膚がん患者を対象に、安全性と治療効果を確かめます。
 臨床試験が始まるのは、口の周りに水膨れなどを起こす「単純ヘルペスウイルスI型」の遺伝子を改変した「T―hIL12」を使う治療。がん細胞の中だけで増え、増える時にがん細胞を破壊するよう遺伝子操作してあります。免疫細胞を活性化するタンパク質の遺伝子も加えてあるため、患者自身の免疫によるがん細胞の攻撃を強化する効果があると期待されます。
 臨床試験は、皮膚がんの一種、悪性黒色腫(メラノーマ)の患者計24人を対象に2病院で行う予定で、臨床試験に参加する患者を募集しています。
 第1段階(第1相試験)は、標準的治療の効かなかった患者6人が対象。開発したウイルスを2週間おきに2~4回、がんができている部分に注射します。
 第2段階(第2相試験)は、標準治療の1つである免疫チェックポイント阻害剤・オプジーボによる治療が予定されている患者18人を対象に、オプジーボとウイルス療法を併用します。研究チームは、ウイルスとオプジーボの相乗効果に期待しており、他のがんの治療にも応用できるとみています。
 今回の治療用ウイルスの土台となる遺伝子改変ウイルスは、脳腫瘍(しゅよう)患者を対象にした臨床試験がすでに終わっており、安全性と効果が確認されています。
 治療用ウイルスを開発した東大医科学研究所の藤堂具紀(ともき)教授は、「皮膚がんは、患者自身の免疫による攻撃が比較的功を奏しやすいので、体内でウイルスが増殖するたびに免疫を活性化するタンパク質が作られる今回のウイルスは効果があると考えられる。土台となる治療用ウイルスにさまざまな遺伝子を加えることで、異なる性質のがんに合った治療用ウイルスを開発していきたい」と話しています。

 2019年9月3日(火)

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