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■がんゲノム医療、投薬拡大へ 10月から11病院で臨床研究 [健康ダイジェスト]

 国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)は25日までに、患者の遺伝子を調べて最適な薬を探す「がんゲノム医療」で、薬の選択肢を増やして早期治療を目指す臨床研究を10月に始めると発表しました。まず最大で約700人を対象に実施し、がんゲノム医療の普及につなげます。
 がんゲノム医療では、国立がん研究センターがシスメックスと開発した「NCCオンコパネル」と、中外製薬が扱う「ファウンデーションワンCDx」という100以上の遺伝子を調べる2種類の検査法が、6月に公的な保険の対象となりました。保険診療と保険外の自費診療を併用する先進医療でも、検査があります。
 だが実際に検査を受けられるのは、すべてのがん患者の約1%。検査後に新薬開発の臨床試験(治験)に参加するなどして投薬まで至るのは、そのうちの約1割で、治療にどう役立てるかが課題となっています。
 臨床研究は、国立がん研究センター中央病院や北海道大学病院、京都大学医学部付属病院などの11病院で、10月に始めます。期間は5年間。保険診療との併用が認められる「患者申出療養制度」を利用します。治療で別のがんで承認されている抗がん剤を使いたい際、国に事前に承認を得ているため、従来半年程度かかっていた治療までの準備期間を大幅に短くできます。
 患者は公的保険の対象になる診療費のほか、約40万円の研究費を支払うものの、ノバルティスファーマが提供する「グリベック錠」などの9種類の分子標的薬を無料で使えます。分子標的薬は、がん細胞の増殖を引き起こす特定の分子だけを狙い撃ちするため、別の種類のがんでも同じ遺伝子変異があれば、効果を上げる可能性があります。
 今後は他の製薬企業とも交渉を進めて無償提供を求め、受け入れる患者を増やします。投薬を受ける患者が増えれば、がんゲノム医療の実効性を高められます。

 2019年9月29日(日)

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