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■「1億円超え新薬」が医療保険の対象に 乳幼児の難病の遺伝子治療薬 [健康ダイジェスト]

 厚生労働省は、アメリカでの価格が2億円を超す超高額の難病治療薬「ゾルゲンスマ」について、日本国内での製造販売を承認することを決めました。全身の筋力の低下を引き起こす脊髄性筋委縮症にかかった2歳未満の乳幼児を対象にした治療薬で、5月にも公的医療保険での薬の価格(薬価)が決まります。アメリカを参考に1億円を超え、国内で最高額になるとみられます。
 26日に薬事・食品衛生審議会(厚労相の諮問機関)の部会が、承認を了承しました。早ければ5月にも、診療報酬を決める中央社会保険医療協議会(同)の総会で保険適用を決め、薬価を固めます。
 ゾルゲンスマはスイスの製薬大手ノバルティスによる薬で、体内に遺伝子を入れて病気を治す「遺伝子治療薬」。
 脊髄性筋委縮症は出生10万人当たり2~3人が発症する難病で、発症時期が早いほど重症になりやすく、生後6カ月までに発症する「Ⅰ型」では、9割が2歳までに人工呼吸器が常に必要になるか、死亡するとされます。
 治験で15人の患者に投与したところ、全員が2年たっても人工呼吸器を必要とせず生存したとの結果が出ました。ノバルティスは、日本では年間15~20人の患者への投与を想定しています。
 アメリカでの販売価格は、約2億3000万円。従来の治療法を10年続けた場合にかかる医療費約4億円の半額で設定されました。ゾルゲンスマは1回の投薬で治療をすませるため、単価は高くなり、世界で最も高額な薬剤とされます。
 日本国内では薬価を決める際に海外での価格も参考にされるため、1億円超えが有力。今の最高額は白血病治療薬の「キムリア」で、2019年5月に1回3349万円という薬価がつきました。
 公的医療保険では医療費の自己負担に月額上限を設ける「高額療養費制度」があるため、高額医療の患者負担は低く抑えられる。さらに子供の医療費は多くの市区町村がほぼ全額を助成しており、自己負担はほとんど発生しない例が多くなります。
 ただそのぶん、保険料や税金を財源にしている医療保険からの給付が膨らむことになります。医療技術の進展で高額薬の保険適用が相次ぐと見込まれており、保険財政への影響を懸念する指摘が多くなっています。

 2020年2月26日(水)

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