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■新型コロナウイルスにインフルエンザ治療薬「アビガン」 治験と量産開始へ [健康ダイジェスト]

 安倍晋三首相は28日夜、首相官邸で記者会見し、新型コロナウイルスに感染した患者に対し、臨床研究(観察研究)として使い始めている新型インフルエンザ治療薬「アビガン」(一般名ファビピラビル)について、薬事承認を目指す考えを示しました。「正式に承認するに当たって必要となる治験プロセスも開始する考えだ」と述べました。
 アビガンは新型インフルエンザ治療薬として備蓄されていますが、中国で新型コロナウイルスへの治療効果が確認されたとの報告が出ています。
 安倍首相は、「世界の多くの国から関心が寄せられており、希望する国々と協力しながら臨床研究を拡大し、薬の増産をスタートする」としました。
 ただ、アビガンについては妊婦が服用すると胎児に副作用が出る恐れが指摘され、新型インフルエンザ治療薬としても従来の治療薬では効果がないか不十分な時に限って使用が認められています。
 また、膵炎(すいえん)の治療薬「フサン」(一般名ナファモスタットメシル酸塩)についても、観察研究として、新型コロナウイルスに感染した患者に対し、事前に同意を得た上で使い始める考えも表明しました。
 安倍首相は、「治療薬やワクチンの開発に向け大学や民間企業でもさまざまな動きが出ている。政府が力強く後押しする」と話した。

 2020年3月29日(日)

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