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■レムデシビル、「コロナ死亡率の改善効果ほぼなし」 WHOが暫定的結果を発表 [健康ダイジェスト]

 新型コロナウイルスの治療薬として日本で特例承認されている抗ウイルス薬の「レムデシビル」について、世界保健機関(WHO)は、国際的な臨床試験を行った結果、入院患者の死亡率の改善などには「ほとんど効果が認められないか、全く効果が認められなかったようだ」とする暫定的な結果を発表しました。
 これについて開発したアメリカの製薬大手ギリアド・サイエンシズは、WHOのデータは厳格な検証をまだ受けていないもので、これまで別の臨床試験で示された有効性と矛盾しているなどとする声明を発表しました。
 WHOは15日、30カ国の405の病院で新型コロナウイルスに感染して入院中の患者1万1266人を対象に実施したレムデシビルなどの臨床試験の暫定的な結果を発表しました。
 このうちレムデシビルについては、投与したグループと投与しなかったグループそれぞれ2700人余りの経過を比較しましたが、患者の死亡率の改善や入院期間が短縮するかどうかについて「ほとんど効果が認められないか、全く効果が認められなかったようだ」としています。
 レムデシビルを巡っては、アメリカ国立衛生研究所などの研究チームが10月8日、国際的な臨床試験の最終報告を公表し、新型コロナウイルスの患者の回復にかかる期間を短縮し重症化を防ぐ効果を期待できるという結果を発表していました。
 WHOは今後も、治療法の確立につなげるため、別の治療薬の臨床試験を進めていくとしています。
 レムデシビルについてWHOが国際的な臨床試験の暫定的な結果を発表したことについて、日本感染症学会の理事長で東邦大学の舘田一博教授は、「今回発表されたデータは多くの症例に基づいていて、結果は注目すべきだ。ただ、現在公表されているデータは正式な論文になる前のもので、科学的には、研究方法などがきちんと検証され論文として発表されるまでは、結果について冷静な目でみる必要がある。レムデシビルの評価が定まるには、ほかの研究も含めて多くの検証が必要だと考えられる」と指摘しています。
 レムデシビルはもともとエボラ出血熱の治療薬として開発され、新型コロナウイルスへの効果が確認されたとして、5月にアメリカ食品医薬品局(FDA)が重症患者に限って緊急使用許可を出したほか、日本でも5月に初の治療薬として特例承認されました。新型コロナウイルスに感染したアメリカのドナルド・トランプ大統領にも投与されました。現在は新型コロナウイルス治療薬として、世界50カ国で使用されています。

 2020年10月16日(金)

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