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■子供の体格は大きくなるが体力と運動能力は低下傾向 スポーツ庁が1960年代と2019年度を比較 [健康ダイジェスト]

 1964年の東京オリンピックの直後と比べて、日本の子供たちの体は大きくなったものの、それに見合う体力が身に着いていない。スポーツ庁が18日に公表した「2019年度体力・運動能力調査」で、こんな事実が明らかになりました。
 専門家は、「将来的な健康寿命を考えると体格にふさわしい体力を育むことが望ましい」と指摘しています。
 この調査は前回の東京オリンピックの開催を契機に、国民の体力や運動能力を把握する目的で、1964年度から始まりました。来年に延期となった2度目の東京オリンピックを前に、スポーツ庁は10歳代の男女について1960年代と2019年度の結果を比較し、体格や体力、運動能力、運動習慣などの変化を調べました。
 身長、体重を1964年度と2019年度で比較すると、いずれも10歳代の男女の全年齢で2019年度が上回っていました。16歳でみると、男子は身長が5・5センチ以上高くなり、体重は5キロ近く重くなりました。女子も身長が4センチ近く伸び、体重は2キロ以上増えていて、栄養状態の改善の結果とみられます。
 一方、体力、運動能力を1964〜1968年度と2019年度で比較すると、50メートル走は、男子は17歳、女子は14歳から15歳ごろにピークに達し、持久走は、男子は17歳から18歳、女子は13歳がピークになるなど、ボール投げを除く項目で、ピークを迎える年代や記録の数値に大きな差はみられなかったものの、低下傾向にあるか伸び悩んでいるということです。
 また、握力の記録は14歳までは2019年度がおおむね上回っていたものの、体の成長が止まる年齢に近付く15歳以降は伸び悩み、1964〜1968年度の握力の測定記録を下回っているということです。
 調査に協力した順天堂大の内藤久士教授(運動生理学)は、「ライフスタイルの変化で思い切り力を入れて握るという経験が少なくなり、そうした動きができないのかもしれない」と分析し、「前回の東京オリンピックのころと体力、運動能力に差がないように見えるが、今は体格が大きくなっているため、運動能力は当時に比べて相対的に下がっている」との見方を示しています。

 2020年10月19日(月)

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