■中国の新型コロナ感染、重慶市など20都市以上に拡大

　中国国家衛生健康委員会は31日、同国で起きている過去数カ月で最大規模の新型コロナウイルスの流行について、福建省と人口3100万人の大都市・重慶市にも広がり、55人の新規感染者が確認されたと明らかにしました。
　首都北京市と４省では、すでに感染力の強いデルタ型変異ウイルスの流行が確認されています。
　31日午前までに10省・直轄市・自治区の20都市以上で確認されている260人以上の感染者は、東部・江蘇省南京市で20日に陽性が確認された国際空港の清掃員９人のクラスターと関連しており、学校が夏休みに入って多くの旅行者でにぎわう空港を通じて広がりました。経由便で南京空港に数時間だけ滞在した人が感染した例もあり、その後の旅先からさらに別の場所へと拡散しました。
　南京市当局は31日、国内で感染者が急増したことを受け、市内のすべての観光名所や文化施設に休業を命じました。江蘇省ではすでに数十万人がロックダウン（都市封鎖）の対象となり、南京市では920万人の全住民に２回の検査が実施されました。
　国内感染例が確認された北京市の昌平区でも30日、４万1000人に外出制限令が出されました。
　中国は、湖北省武漢市から新型ウイルスの流行が広がる中、2020年初頭に各国に先駆けてロックダウンを実施し、国内での感染拡大の封じ込めに成功したと誇ってきましたが、７月に入ってデルタ型変異ウイルスの感染が急速に広がっています。
　今回の事態で、中国ではＳＮＳを中心に中国産ワクチンがデルタ型に効果がないのではないかという話が出ています。感染者らが予防接種を受けたかについてはまだ知らされていません。
　一方、中国産の新型コロナウイルスワクチンに依存している多くの東南アジア諸国が最近、ほかのワクチンを導入することを発表しています。

　２０２１年７月３１日（土）

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